2015.12.14 無形を表現する
この世界には人の目には見えない存在、例えば空気、臭い、音などの自然現象や、人間の心の内などがある。
これらは見えないものであるので、当然ではあるが、表現するとなると言葉が一番適している。
今回は敢えて言葉でなく描くという手法で無形のものを形として表現することに挑戦してみる。絵画には写実と抽象という表現方法がある。
例えば、風は目に見えないが、感じることの現象の一つだ。これを表現するのが抽象画である。人によって感じ方が違うから、誰が書いても同じ形をとるということはない。私のペイントミュージアムでも「風を楽しむ」で風を抽象的に表現してみた。
抽象画の画家と言えば、ピカソが思い浮かぶ。代表的抽象画「ゲルニカ」を見ると、人の顔らしきものが描かれいるが、目と思しきものがあるので顔だろうと推測できる位で、その他は訳の分からない造形物の集まりだ。日本版の「ゲルニカ」は岡本太郎画伯が描いていおり、 渋谷駅の連絡通路に壁画として展示されている。これらの抽象画は思想的背景もある。思想も心の働きのひとつだ。こうした絵画はコメントがないと、それとは分からない。
私の好きな画家にパウル・クレーがいる。クレーの色彩や造形の感覚には魅了される。彼はどんな素材も自分のキャンバスにしてしまう。絵の具なども油彩、水彩、クレヨン、グアッシュなど独特の使い方で描画する。題名は付いているが、まったく意味はないように私には思える。想像の世界を表現したものなので、見る人の感性に訴える物としか言えない。それでもその色彩感覚と構成力には驚嘆させられる。
話が少しずれてしまったが、話を私の抽象画への挑戦に戻そう。
画家ではないので、色彩感覚や構成力は問題にしないでほしい。あくまでも見えないものを描くのが狙いである。
音や臭いはどう表現すればよいのか。スピーカーを書いて、その前に音符を散らばらせれば、一応これは音楽なのだという想像は着く。しかしこれでは具象画で抽象画にはならない、面白くもない。
無形を表現するということは、無謀という気さえする。しかし、それに挑戦することによって何か得るものがあるにちがいない。
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