kiji

2015.1.18 おいなりさん
 神社の話が続いたので、またどこかのお稲荷様の話とでも思われたでしょうが、違います。
 今回は「稲荷寿司」の話。とは言え、この稲荷寿司なるものまったく稲荷神社と関係がないわけではない。「稲荷信仰では、すべての食べ物を司る倉稲魂命(うがのみたまのみこと)を祀り、キツネはその使者として、大好物の油揚げをを供えて労う風習がある。江戸中期の11代将軍家斉のときに、諸国に飢饉が続いたのが、庶民的な稲荷ずし創作の契機となったとする説がある。時代は下って、幕末の嘉永年間に、江戸の稲荷屋治郎右衛門という人が、赤鳥居を書いた行灯を付けて行商し、稲荷ずしが一般に広まったという」(食べ物起源事典:岡田 哲)
 当初は寿司であるから、醤油とわさびが付いていたようだが、今では甘く煮た油揚げを二つに切り、その中に酢飯を詰めたものが一般的だ。関西と関東で味付けや中身が違うようだが、個人的には正統派のにぎり寿司より「おいなりさん」や海苔巻きの方が好きだ。
 そのまま口に放り込めるのが良い。箸や薬味は必要ない。面倒なしが一番良い。
 「おいなりさん」について、好みを言わせてえもらえるなら、お店で売っている稲荷鮨は中の酢飯が少なく物足りない。その分油揚げの味の濃さが勝ってしまい、飯の美味しさが消えてしまう。
 我が家では、油揚げに酢飯を満タンに入れる。皮が弾けるようで、頬張る感触がたまらない。
 本来稲荷寿司の形状は米俵を模した俵型(円筒に近い直方型)に作るのが正統派。従って店売りの小ぶりでやせ細った稲荷寿司は「おいなりさん」とは呼べないことになる。
 「おいなりさん」は自家製に限る。

 

 
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