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2015.7.7 文字の成り立ち
 今年から「字源」と言うページを設け、文字の成り立ちを紹介しているが。文字が生まれる段階で6分類することができる。これを六書と言い、中国後漢時代の儒学者・文字学者の許慎(きょしん)の編さんした「説文解字」の序に記されている。日常細事のテーマとしては不似合だが、「字源」の拠りどころでもあるので、少し詳しく紹介する。
 字源で紹介している日・山・月などは象形文字と呼ばれ、物の形をかたどって字形を作っている。
 上・下・末などの文字は、位置と状態といった抽象概念を字形の組み合わせで表現する指事文字と呼ばれる分類に入る。
 時・店・住などの文字は形声文字といい、類型的意味を表す音符と音を表す音符とを組み合わせて作る。
 思・春・私などの文字は、象形と指事によって作られたものを組み合わせて、新しい意味を表す字を作り出したもので会意文字と呼ぶ。
 このほか他の同音、類字音の字を借用する「わたし」の意味に「我」、「くる」の意味に「来」などを仮借(かしゃ)文字という。
 殆ど見かけない転注文字も用字法のひとつとされているので、合わせて6書となる。象形、指事、形声、会意の文字で構成するのが造字の原理とされている。仮借はすでにある漢字の運用原理として扱われている。
 もう少し加えると、「説文解字」では、象形と指事によって作られたものは、それ以上の要素に分割できないもので、これを「文」と呼ぶ。形声と会意は「文」と「文」を組み合わせることであり、これによって作られたものを「字」と呼んだ。当時「文字」とは文と字からなり、漢字という語は存在しなかったのだそうだ。

 
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