kiji

2015.6.26 今そこにある危機(第4話)

 今回はどこにでもある段差に目を向けて見ることにしよう。
 段差を埋めるためには一般的には、階段とかスロープを付ける。
 私には何故と思うのだが、一般家庭の玄関口には、必ずと言っていいほど階段を設けていることだ。これは最近の新築家屋でも例外ではない。フラットな方が何かにつけ都合いいと思うのだが。会社や商業施設、学校などは入口はフラットなのが当たり前のように見える。
 昔は道路などのインフラが整わず、水などの被害から避けるため、段差を付けたのは分かる。今は下水道施設や道路も整備されてきているのだからフラットのしてもいいのではないかと思うのだが。 
段差の話しに戻すと、自分の住む家の周囲は段丘に囲まれているので、坂や階段が多く目につく。私が歩くコースにも手摺のない階段が何箇所かある。
 階段で心配なのは、身体のバランスを取ることで、これは年を取れば誰でも感じていると思う。階段の段差でバランスを崩すことがある。転んだことはないが、多くの年寄りが階段で転んで、骨を折ったという話を聞く。
 階段を侮ってはいけない。階段は「そこにある危機」の最たるものであるからだ。よく「まだ若いんだ」と意地になって階段を使う人がいる。その結果転んだりしたら、そうして鍛えた効果など一瞬に消し飛んでしまう。近くにエレベーターやエスカレーターがあれば、それを使うのが一番だ。
 社会の高齢化が進むに連れ、バリアフリーということに関心が集まっている。段差のない住空間を作るということで、どこの家でも街でもそうなれば、環境は快適化されるのだが。
 そうなると、危機管理というものは、ひとりの力で出来るものではないということが分かってくる。家族や地域社会全体としてこの課題に取り組んでいくことが求められる。



 
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