2015.3.7 聴くということ
前回味覚について述べたので、残る4つの感覚についても順次紹介することにした。
今回のテーマは「聴覚」を取り上げる。
聞くという表現には、幾つかの漢字が使われる。聴く、訊く、効く、利く、尋くなどもTPOで使い分けられる。
今回のテーマは「聴覚」であるので、上記の表現法ではなく、生理学的な聴くについて観察してみた。
先日健康診断で聴力の検査をした。その結果聴き取れる周波数帯が大分狭くなっていることが分かった。
通常、人の耳は周波数帯で言えば、下は20Hz(ヘルツ)から上は16kHz程度までの鼓膜振動を音として感じるという。この周波数帯を可聴域と呼ぶそうだ。
加齢による聴力低下は高い周波数が聞き取り難くなるところから始まる。人の通常の会話で、話が聞き取り難くなると難聴の部類に入ることになる。難聴でなくても、電話の声などは聞き難いものだ。
それは電話の場合、周波数帯に制限をかけ300Hzから3400kHzと可聴範囲の上下を幾分かカットしている。そのせいかあらぬか、私などは特に人の名前などの固有名詞は聞き取り難く、聞き返すことしばしばだ。
どうも人間の耳は、自分の聞きたい音を聞き取りたいという、聞き分ける能力があるらしい。これは脳の働きのようで、人の周囲には色んな音が流れている。それらは雑音で、自分で音を拾うという意識がないと特定の音は聞き分けられない。
特に物事に集中しているときは、外の音をシャットアウトしているようだ。いろいろな音の中から必要な物だけを選び、それ以外は無視するようにできるというのは、脳の中に音に関するデータベースのようなものがあって、それを知らず知らずの内に使い分けているせいなのかもしれない。
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