kiji

2015.10.19 加減の取り方
 常に全力疾走するなどと言うことは出来るものではない。マラソン選手がペース配分を大事にするように、力の入れ加減は経験を積まないと身につかない。
 身をもって感じ取る力加減であるが、腰の治療を受けているのだが、理学療法士は絶妙の力加減で施術する。強すぎず、弱すぎず指先から熱線が出るように感じる。
 力を入れ過ぎるのは逆効果を招くことになる。かくして物事には力加減が必要だとういうことが分かる。
 私が苦労しているのは、筆の力加減で、毛筆で手紙を書くとき毎回同じように活字のようには書けない。特に縦線は難しい。少し長めであるため真っ直ぐ書いたり、太さを一定にするのがうまくいかないうえに、非常に感情の動きに敏感で乱れが直ぐに形に出るので誤魔化しがきかない。
 私は水彩画は描かないが、同じように微妙な水加減や色の濃淡の出し方に力加減が大切な役割を果たしていることだと思う。名人の作となるとバランスが非常に良くて、ひとつひとつはバラバラのようでいて、全体で見ると実にまとまっているから不思議だ。そこには幾何学的美のようなものさえ感じる。
 私がパソコンで描く絵は、元絵を下敷きにして、なぞって書くので、筆で描くような、太さの変化や濃淡が出し難い。これは描画ソフトやデジタイザーという入力機器(ペンで描く機器)に頼るためで、力加減というより、うまくなぞるという感じで作業する。パソコン上で表現力のある絵を描くようになるためには、力加減を表現できる技術が普及する時が来るのを待たねばならない。それもそう遠い話ではないと思うが。
 加減の取り方には他にも色々ある。少し例を上げると「医者の匙加減、味付けの塩加減自分より弱いものに対する手加減、料理の火加減・水加減、風呂の湯加減」など色々な局面で見ることができる。
 今回はテーマがテーマだけにいい加減なまとまりになってしまった。








 
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