2015.10.27 念を入れるということ
念という言葉は色々な使われ方があるが。今回強調している念とは、気持ちを集中させることに専念する「念」のことである。
誰にでも日頃いろいろな局面で何かを決めなければならい時がある。どうしようかと答えを模索して、気持ちを集中させる。このことを念を入れるという。
念ずるということは、期待が込められた気持ちで、先のことは分からないだけに、年齢には関係なく抱く精神の働きと言えよう。
「念」に関する諺は多く、必ずしも上に示した意味合いのものばかりではない。少し例を上げるなら「念ずれば通ずる」「念には念を入れよ」「信念は岩をも通す」「一念天に通ず」「馬の耳に念仏」など多くある。最後に上げた諺だけが異質であるが、その他は「祈念」とか「念願」といった言葉に通じるものだ。「記念」や「念書」などの言葉は記憶に残したり、忘れてはならない約束のことなので、未来のために残すという意味で使われている。
念のために、 小学4年生の学習漢字では次のように解説している。
1 いちずに思いをこめる。「念願・念力/一念・観念・祈念・思念・専念・想念」
2 いつまでも心にとどめる。「念書/記念」
3 思い詰めた考えや気持ち。思い。「怨念(おんねん)・疑念・雑念・残念・執念・情念・信念・断念・無念・妄念・理念」
4 注意。「丹念・入念」
5 含み声で唱える。「念経・念仏」
6 きわめて短い時間。「念念/一念」
このように小学4年生には少し難しいのではないかと、いささか驚く語彙だ。
今回この言葉をテーマにしたのは、このコラムを書き始めてから200話を超えたため、発想段階から入念にテーマを選択して執筆に専念しないと、コラムの考え方である「どうでもいいような日々の話題であること」という筋道から外れてしまうからである。そこで初心に戻り、自戒も含め「念」について見直してみた訳である。
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