今年(2015年)で戦後70年となる。私は終戦の年に小学校に上がった。戦中である。その頃のことは鮮明に覚えている。これから記すことは、自分の記憶に残った戦後の体験を通して、世の中の移り変わりを振り返ることになる。
70年間とは、人間の歳に置き換えると古希に当たる長い年月である。そこで大きく4つの期間に分けて記すことにした。少年期、青年期、壮年期、老年期という構成にした。高校を卒業するまでが少年期である。法律的に少年扱いされる期間である。次の青年期は結婚するまでの期間。これは特定の尺度で測った訳でなく、家庭を持つという社会的責任を重く背負う時期までにした。次の壮年期は家庭と仕事が最優先にされる期間で、定年を迎えるまでの熟年期でもある期間である。最後は老年期である。一般的に還暦を迎えると自営業を除けば一線を退く。社会的には老人扱いとなる時期だ。私は現在立派な老人期で、今では後期高齢者として念押しの老年期を過ごしている。従って、老年期も働ける時期と隠居してしまう時期と二つに分類できそうだ。
ここで書かれる内容は世相を反映した体験談とし、自分史的色彩は極力排除するつもりだ。人は人生に1冊の本は書けるという説がある。それは人一人の人生はその人だけのもので、立派なストリーを構成しているからだ。私も多分だが、このエッセイを仕上げれば、人生1冊の本を物したことになるだろう。
戦後70年ということで多くの書籍が、戦争の記憶を呼び覚ますように、既に本屋の棚を埋め始めている。復興の歴史や事件などの出来事は、それら専門家に成る書籍によって検証されるだろう。
この小文は「私の戦後」で、極めて個人的視点で世相の変化を描写するつもりだ。