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  ロゴの書体とその理由


 今年からポケットのロゴマークが変わったことにお気付きだろうか。
 「歩」「誌」「寫」「描」の四文字は、篆書(てんしょ)体といい、よく日本画家や書家が落款として使う書体である。
 この篆書体は漢字の生い立ちから見ると、そのルーツは、甲骨文字という(占いに用いた亀の甲や獣の骨などに刻み込まれた、中国古代の象形文字:旺文社国語辞典)漢字の最古の形に一番近い形をしている。
 現在使われている書体は、五体書体と呼ばれる「篆書」「隷書」「行書」「草書」そして最もポピュラーな「楷書」の5つに分類される。
 ロゴに使われているのは篆書であるが、ほかの4つの書体と比べてみる(写真)
 では何故敢えて見慣れない書体を使ったのか。それには少し訳がある。言葉を表現するのに必要な漢字では篆書体がそのルーツに最も近いので、「初心忘れず」の気持ちを込めて、小文を書き続けるという覚悟を示したつもりだ。それにデザイン的にもサマになると考えたからでもある。
 次に英語表記を併記したのにも理由がある。「歩(あるく):Watch」としたのは、前年までは「知る:Memory」であった。これでは表現としては、抽象的に過ぎると考え、実際歩いてみて感じ取ることができる「見る」「観る」「感じる」などを総合的に表現できる言葉は「歩」が相応しいと考えた。英語表記では直訳ならwalkだろうが、意味することはwatchであると解釈したからだ。
 次のポケットのロゴを「誌」にしたのは、それまで「記す」であったのだが、風を感じさせる記事を中心に構成しているので、風物詩の「誌(しるす):Write」と表現を変えた。
 次のポケットは「寫(うつす):Image」にしたが、これは写真と動画を合わせたためで、カメラのレンズを通したイメージを表現する表記とした。
 最後に「描(かく):Paint」はデジタルペンで描いたり、描画ソフトの力を借りて色付けした絵が多くなったので、新しい枠組みのポケットを作った。
 今年課題はそれぞれのポケットの文字に相応しい内容を、盛り込むことができるかどうかにかかっている。

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