日常細事


kiji

2016.12.18 棚(mono)
 今回はモノ(mono)シリーズとして棚を取り上げてみた。
 家の中には色々な種類の棚が存在する。棚の用途は広く、種類も多い。
 そこで、棚について少し掘り下げて考えてみる。
 ホームページで紹介している字源で棚という字の起源を調べると「会意と形声の兼用文字で木と音符朋(並ぶ)で板や棒を並べたもの」とある。
 これをもう少し詳しく説明すると「棚(英:shelf,rack)は板を水平に渡したもので、物をのせる装置」というのが辞典の表現になる。
 その板や棒の取り付け方であるが、棚の形を見ると、垂直な棒や板を使って固定したり水平版を直接壁に取り付ける方法などが見られる。
 棚は用途に応じ、固定されたり、動かせるものがある。移動できるものは「置き棚」と呼ぶそうで、戸棚、茶棚、書棚などがある。どこの家にでもある棚だ。これに対し固定された棚は、電車の網棚のように括り付けの棚などをあげることができる。
 戸棚は前面に引き戸をつけたものである。 本棚は本を置く棚で、書店や図書館などに見られる書架と呼ばれる棚があげられる。
 商品棚は商品の陳列に用いられる棚で、商品が平置きにされるテーブルのような棚で、何かを見せるところから「見世棚」と呼ぶ。店を「たな」と呼ぶのはこれが元になっているという。
 棚は本棚とか食器棚は本来目的以外にも、茶器や模型などを陳列する棚にも変貌することがある。
 棚の形から別の意味で使われるのが、棚田とか大陸棚で、階段状になっているので棚という表現を使っている。
 最後に棚にまつわる諺を上げてみよう「棚から牡丹餅」「棚に上げる(自分の都合にいいように)」などがある。
 このように棚は昔から物を置く什器として必需品で、平安時代の棚に関する記述によれば、「二階厨子」といって、日曜家具の一つで上段に半挿(はんぞう)といって水や湯を注ぐ器を置き、下段には両開きの扉があり、「唾壺(だこ)」という痰壺が置いてある。平安期における棚は、器を置く場所であったということだ。
 最近のラックなどは、スチール製の棒と金網状の棚板のセットで自由に組み立ててなんでも置ける棚として重宝されている。



 
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