日常細事


kiji

2016.6.19 路上観察
 最近古書で「路上観察学」なる書籍を購入した。これを読んで、今まで自分がこのコラムで書いていたことが、結構この本に書かれている観察対象と一致していることに気が付いた。「学問」というには大げさだが、この本の著者(学者)たちは、路上観察を体系化した先駆者といえよう。私が先に紹介したマンホールの観察などは、はるか以前にその中の一人が徹底的な考察を行っていた。それを知っていたら、あれなどは書くことはしなかっただろう。
 これらの学者もしくは探究者の観察眼は偏執狂と思えるほど、徹底している。これに比べ私が散歩の片手間の話題として取り上げてきた、散歩道の観察やそれに対する調べ方は児戯に等しい。
 私はこの本の存在を知ったからと言って、自分のやり方を変える気はない。普通の人の目線で路上観察を続けるつもりだ。 
 路上観察の視点は、散歩する人なら誰でも似通っている。観察する対象はおそろく草木が多いだろうが、歩道の造りの違いや、公園のベンチや構築物、山坂の多いところの階段など、視線の向きで新しい興味が喚起されるのだ。
 それをどこまで掘り下げて追及するかというところで個人差が出る。漫然と眺めて歩くのは散歩である。これは健康志向で観察はおまけと言っていいだろう。路上観察に重きを置くのは散策で、さらに目的を絞って集中的に調べ上げるのは探索と言うことになる。
 私の場合は健康志向の散歩もあれば、話題を探す散策もある。時には事前に調べてその場所まで赴き取材する探訪もある。
 コラムを書き続けるという自分の仕事(老後の生き甲斐もしくは時間つぶし)に欠かせないのは、常に四囲に目を配り、そこに話のネタを探し出すよう心がけることである。
 ということで、路上観察次回は町で見かける「階段」について取り上げることにする。
 
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