日常細事


kiji

2016.6.23 街で見る階段
 横浜はどこを歩いても山坂が多い。そこでいたる所に高低差があるということになり、どこにも階段があるということになる。
 車が走る場所はスロープになっているが、狭い路地などでは高低差は階段で道を結んでいる。
 こうしたどこにでもある階段も、よく観察すると形や素材、段数など多様だ。そこで外見からどういう違いがあるか、見ていくことにした。
 我が家の場合は集合住宅で、山の傾斜地に建っているので、入口から道路までの間を20段ほどの階段を上り下りすることになる。素材はコンクリートにタイルを貼ったものでヘリには滑り止めの刻みが入っている。それでも段数が多いので、中間部と道路に接する部分には踊り場が設けられている。
 私ぐらいの歳になると、足腰が弱くなるので、出かける時の最初と最後の難関として階段が立ちはだかっているということになる。無事下り切って道路に出るとホッとする。
 これは少し大げさだが、「転ぶ、滑る、躓く」はお年寄りの歩行三大災厄だから、先ずは安全第一に足元を確保して歩くことを心掛けねばならない。
 路地に入ると、いたる所で階段を見ることができる。どこの住宅も玄関前には一段ないしは二段の階段がついている。家の入り口にある階段はコンクリートにタイル張りというのが通常のようだ。アパートなどの階段は、二階の住居用に外付けの鉄製の非常階段兼用のものを多く見かける。
 坂が多いので、狭い路地などは階段を登って上に行く。古くからあるものは大谷石を組んだものが多い。大谷石はもろく風化して欠けたりつなぎ目がずれて中の土が見えているものもあり、結構危なっかしい思いをする。
 高台にある公園などにも階段がある。石造りのものが多く、素材は花崗岩や御影石など自然の石を加工したものだろう。土の自然を生かしスロープを擬木(木に似せた杭や枕木)で土留めしてあるものもある。これは緑道などで多く見かける階段だ。
 最後に階段の立派さにかけては、神社仏閣の石段が別格である。石も御影石などの高級石材などで細工も細かい、そのうえ幅も広く段数も多い。イメージとしては鎌倉八幡宮の石段を思い浮かべてもらうとよい。信仰の場だけに階段づくりにも手が込んでいて、歩き安く滑られないような心配りが感じられる。
 今回は建造物の中の階段には触れなかったが、いづれそちらの方にも観察の目を広げてみたい。

 
この記事に関するご感想などを下記メールでお寄せください。comfree@papars.net
2013年の記事を閲覧するには日常細事のアイコンをクリックしてください。
©2013 papa's_pocket. All rights reserved.