2016.7.26 蝉の声
我が家の周囲にはサクラ類やケヤキ、マツ類などの木立ちが多く、朝から蝉の声で賑やかだ。蝉が鳴きだすと梅雨が明けるというが、いまだに関東地方には明けたというニュースは流れてこない。蝉のように自然に生きる生き物の方が、気候の変化を正しく感じ取る能力が人より優れているのではなかろうか。
蝉の声は、数種類の鳴き声が重なって何重奏にもなる。耳を凝らして聞き分けると、それぞれの蝉が独特の鳴き方をしている。子どもの頃から慣れ親しんだ蝉はおよそ6種類。
これを鳴き声で分類すると、一番小さくて多く見かけるのがニイニイゼミで「チー」「ジー」を繰り返して鳴く。この蝉は梅雨の訪れを告げる蝉としても知られている。
次に多いのがアブラゼミで、「ジリジリ・・・」と鳴く。名前の由来はその鳴き声が油を熱したときに出る「ジリジリ」という音に似ている事からアブラゼミと名前がついたと言う。蝉の命は短くベランダの片隅などで、その一生を終え転がっている姿を見かけるのは、なぜかアブラゼミが多い。
一番声が大きいのはミンミンゼミで「ミーンミンミンミンミー・・・」と名前通りの鳴き声。芭蕉の句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」にあるのは、この蝉かは分からないが、しみ込むように響き渡る。
立派な体をして王者の風格があるのが、クマゼミ で「シャシャシャ・・・」「センセンセン・・・」という声は、これぞ夏の音という大きな鳴き声が特徴だ。あまり見つからないが体長6〜6.5センチほどもあり、日本で一番大きな種類の蝉だという。
特徴のある涼やかな鳴き方をする2種の蝉。
ツクツクボウシ は「ジー・・・ツクツクツク・・・ボーシ、ツクツクボーシ」と鳴くことから、ツクツクボウシの名前が付いた。
夕方になると、ヒグラシが「カナカナカナカナ・・・」と、夕暮れ時に聞こえる哀愁を帯びた鳴き声は、夏の終わりをを感じさせる鳴き声だ。子どもの頃はカナカナという名前で呼んでいた。
ネットで調べると蝉が鳴く時間帯というのがあるという。
「鳴き声や鳴く時間帯は種類によって異なるため、種類を判別するうえで有効な手がかりとなる。たとえば日本産セミ類ではクマゼミとミンミンゼミは午前中、アブラゼミとツクツクボウシは午後、ヒグラシは朝夕、ニイニイゼミは早朝から夕暮れまで、などと鳴く時間が大別される。ニイニイゼミは街灯などが明るいと夜でも鳴くことがある。夏に多いとはいえ真昼の暑い時間帯に鳴く蝉は少なく、比較的涼しい朝夕の方が多くの種類の鳴き声が聞かれる」
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