日常細事


kiji

2016.9.9 使い捨て文化(後編)
 話が少し広くなって、日常細事ではなく社会時評になってしまうが、ご容赦願いたい。
 モノに関する考え方が、使い続けるから買い替える(廃棄する)傾向になりつつある。
 モノを大事にするという時代に育った私から見れば、徒に消費を助長するような商法が目立つ。
 特に私のようにIT関連商品に囲まれた生活をしていると、そうした商法に振り回されていると感じること屡々だ。
 例を上げるとパソコンなどの高価な機種ですら、イヤホンジャックひとつ壊れても、マザーボード(本体基盤)を交換しなければならない造りになっている。業者も買い替えを薦める。機種を買い換えれば、ソフ卜も入れ替えなければならない。最近はダウンロード製品が多いから、これも買い替えねばならないことになる。ここで多くの無駄が発生する。余計に金がかかるし、モノの無駄と時間の無駄が出るわけだ。
 私が経験した最もひどいのがスマホや無線LANルーターの契約で、2年か3年契約で、合理的契約延長(機器を変えない)という考え方が無い。十分使える機器を捨て、新規の機種に変更させられる。この考え方が罷り通っていることが使い捨て文化の元凶となる。
 こうした底流が、人がモノを大事に使い続けなくなった風潮に拍車をかけている。使えるものは大事に使い続け、モノを愛用するという、言いかえればモノに対しても愛情を持つ心を忘れないでほしい。
 使い捨て文化の果てに見えるのは、結果としてそれが人に対してまで及ぶことだ、
 最近ではとくに幼児や身体的弱者にやさしく接することを忘れ、暴力や殺傷するという事件が、ニュースで多く報道される。私は 古くからの良き慣習である、日本人の和の精神やおもてなしという、心の潤いが失われていくことを憂慮する。



 
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