kiji

2016.4.15 四つの仮名
 使い方が難しく、特にローマ字入力するとき間違えるのが「じ・ぢ」ローマ字変換で(ji&zi・di)と「ず・づ」(zu・du)の四つの仮名である。
 今回はカナつづきということで、混乱しやすい「四つ仮名」を取り上げてみた。
 私に使い分けに関する知識がないので、図書館で借りた「日本語の歴史(浅田哲也:東京書籍)」を参考にさせてもらった。
 仮名遣いは万葉仮名に始まるといわれているが、千年後の現在はどのように変化したか逆読みで探ってみた。
 現在定められている「仮名遣い」は、昭和61年内閣告示第1号で定められた「現代かなづかい」が最新のものである。
 昭和21年吉田内閣の時に戦後教育の改革ということで、告示が出て61年の改訂までは「現代かなづかい」の基本であった。
 この中でも他の仮名と異なり「四つ仮名」は取扱いに苦労している。なぜなら、平安時代にはタ行の濁音は「ダ、ディ、ドゥ、デ、ド」と発音されており、一文字で表現されない仮名が存在した。これを現代かなづかいではすべてを一文字にしたため、大混乱が生じた。
 そのあらましは歴史的仮名遣いを表音式仮名遣いに改めるというもので、告示によれば「四つ仮名」のうち「じ(zi)、ず(zu)」を仮名遣いに用いることが原則となり「ぢ(di)、づ(du)」は一部の例外を除いて使用することはできない」というものだった。その例外がどう言うものかというと、これが曲者で「次のような「ぢ、づ」の例外は、次の二項目とする。
(1)同音の連呼によって生じた「ぢ」「づ」はその仮名遣いを認める。ちぢむ(縮む)、つづみ(鼓)、つづら(葛籠)、つづく(続く)つづる(綴る)などである。
(2)二語の連合によって生じた「ぢ」「づ」はその仮名遣いを認める。二語の連合とは、二つの単語が結びついて複合語を作るとき、二番目の単語の最初の仮名が「ち、つ」で連獨を起こした場合に「ぢ、づ」の表記を例外として認めるというものである。
 その一例を示すと「はなぢ、そこぢから、いれぢえ、ちかぢか、つれづれ等39語が上げられている。
 四つ仮名混乱の原因はこの例外の多さにある。この本では「例外の多い原則というものは、やはり原則として欠陥である」と断じている。
 こうした状態が続く限り、この四つ仮名の使い分けには苦労することだろう。私はそういう時は無理に漢字書きにしてしまおうと考えている。

 
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