2017.2.10 運ぶ(動力革命)
運輸手段の発展は20世紀から21世紀にかけて目覚ましい進歩を見た。
今回はエンジンで動く自動車がもたらした生活文化への影響を中心に考察してみた。
日本では今でこそ世界に名だたる自動車の生産国になり、国の屋台骨を支えているが、これこそまさに米国から伝来したものだ。私の記憶ではシカゴのギャング時代に走り回ったT型フォードの形が自動車の原型だ。
国産車の記憶はそれに似た姿をしたダットサンだった。戦後横浜市は米軍に多くを占領されていたから、ジープや将校の乗るシボレーやキャデラック、デソートなどのアメ車の走り回る姿を見て育ち、自然に名前を覚えるようになった。今でもそのせいか車の車種はすぐ覚えてしまう。
車はそれだけ戦後文化の象徴であり、個性的な乗り物なのかもしれない。
話が脱線したが、太いゴムのタイヤを四つ着け、ガソリンを燃料としたエンジンを付けて走る自動車の登場は20世紀の華である。子供の頃にはお大尽の乗り物で、一生自分は車は持たないと思っていたが、30歳代には中古のトヨペットに乗っていた。それもノークラッチのオートマだった。それゆえギヤチェンジの自動車の基本操作をしたのは、運転免許を取った時だけである。今は運転をしないが、ノークラしか運転できない。
それはさておき、陸上で物を運ぶものと言えば自動車である。その種類たるや数え切れない。荷物を運ぶトラック、人を乗せるバスやタクシー、大きなものを運ぶトレーラー、荷物を倉庫内で移動するフォークリフト、建築現場工事に欠かせない重機。緊急用の救急車とあらゆる分野で活躍している。
いまこの自動車の心臓部のエンジンで革命的変化が進んでいる。それは電気の利用である。これは短距離の物の移動にしか使えなかった電気自動車が、一般の大形クラスやバスなどにも使われるようになったことだ。この先進技術がハイブリットカーの出現で、トヨタのプリウスが乗用車の先駆者だ。ガソリンエンジンと電池とのコラボレーション。これぞまさしく日本人特有の応用技術の成果である。街を走る車の半数近くがいまやハイブリット車である。
次のステップは水が原料の水素エネルギーの自動車や太陽のエネルギーを使った自動車の登場となるだろう。リチューム電池の改良が進み、家で充電して一日中走り回ることができる電気乗用車の実用化も目前である。これらは公害対策から開発された技術だが、日本の技術者は何か不可能と思われる課題を与えられると、まるでドッグレースのようにガムシャラにゴールを目指す特性を持っているようだ。今後の動向に目が離せない現状だ。
次回は他の動力源で動く「運ぶ」と、近世以前の「運ぶ」を考察してみたい。
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