2017.4.10 表現2(手振り)
人が言語で意思表示をする以前の時代、つまり原始時代ではまずものを食べたり、泣いたり、咳をするといった生きていくための生理的・偶発的表現から非言語表現は始まったという。それから徐々に特定行為として、要求や誘いかけ、感情表現へと発達したと言われている。これは人類全般に共通の表現効果をもたらすものではなく、同じ表現方法が間違って受け取られる場合もあるので、ここで示すものは日本人固有のサインと理解してもらいたい。
前回は顔(特に目の動き)の表情で示す非言語表現について観察したが、今回はそれに手の仕草を交えた非言語表現について観察することにしよう。前回から続く連番で示す。
⑪口惜しさ・嘲り(あざけり)の意図を片手の指先で見尻を下げ、同時にベロを出す「アッカンベー(悪態)」 ⑫静粛に・黙っての意思を伝える「唇に人差し指を立てる(静かに)」 ⑬臭い匂いがすると自然に鼻をつまむが、一種のサインとしての「鼻つまみ(嫌われ者)」の表現にも使われる。 ⑭拳骨を鼻の頭に着けて「天狗になっている(自慢している人をからかう)」一種の陰口の表現もある。 ⑮「失敗した!どうしようー」の振りは、何かに失敗して、動揺している状態を示す「おでこたたき(やっちまった)」 ⑯こいつはどうも怪しい話だという時「眉唾(騙されないぞ)」 ⑰ヤー申し訳ない「頭かき(照れ隠し)」 ⑱しめた、ヤッター「パチンと指鳴らし(結果がうまくいった)」 ⑲あいつはパーだ「握り拳を頭の脇でパッと開く(頭がおかしい、バカもん)」 ⑳選手宣誓「右手を斜め45度の角度で上げる(挙手・挨拶・宣誓)」このほか「手のひらを立てる(ちょっと待て)」・「手のひらを合わせる(お願いします)」・「胸をたたく(任せとけ)」・「手振り(さよなら・挨拶)」なども手を使った非言語表現である。次回は指の動きで表現するパターンを紹介する。
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