2017.4.14 表現3(指と拳)
今回は指の形で示したり、拳の作り方で示す非言語表現について観察する。これも日本人固有のサインと理解してもらいたい。英語ではハンドサインとサムズアップというが、同じサインでも外国で自国にいる気持ちで使うと、意味する内容が違うので、取り返しの付かない事態を招きかねないので注意する必要がある。前回から続く連番で示す。
㉑お金を表す時親指と人差し指で輪っかを作る「リング(お金)」 ㉒ひとのものを盗む行為を示す「人差し指を曲げる(盗み、泥棒)」 ㉓俺のコレとか言って女性を示す「小指立て(彼女、女の人)」 ㉔ちゃんちゃんバラバラ「人差し指を切りまじえ(喧嘩))」 ㉕ 指切りげんまん。嘘ついたら針千本飲ます「二人で小指を絡み合わせる(約束)」 ㉖手と手を握り合って親交のしるしを示す「握手(挨拶 )」などが指の形で示す表現。
㉗拳を使った表現もある。このルーツは16世紀中頃に中国から伝来したものが、日本で広まったものである。代表的なのが「じゃん拳」で、拳を作る「グー(石)」五指すべてを広げる「パー(紙)」二本の指を広げる「チョキ(ハサミ)」を使って勝ち負けを争う。㉘虫拳という遊びがあった。蛙と蛇となめくじの三すくみによる拳遊び。日本の拳遊びで一番古いものと伝えられている。親指が蛙、人差し指が蛇、小指がなめくじを現す。蛙はナメクジに勝ち、ナメクジは蛇に勝ち、蛇は蛙に勝つ。その他、遊び方はじゃんけんに同じ。じゃんけんの普及にともなって現在では廃れた。
これに似た三すくみの遊びに、 ㉙藤八拳(トウハチケン)がある。江戸時代の座敷遊びで、二人が相対し両手を開いて耳のあたりに上げるのを狐、ひざの上に置くのを庄屋、左手を前に突き出すのを鉄砲(または狩人)と定め、狐は庄屋に、庄屋は鉄砲に、鉄砲は狐にそれぞれ勝つ。別名狐拳(きつねけん)とも庄屋拳ともいう。(完)(参考文献:記号の事典 三省堂)
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