2017.5.18 梅雨の歳時記
気象庁によれば今年の梅雨入りは関東地方では、平年なら6月8日(昨年は6月5日)であるので、もうそろそろであろう。16日15時現在の梅雨前線は沖縄周辺の海上に停滞しているようだ。
芭蕉の句に「 五月雨を あつめて早し 最上川」という有名な句がある。この五月雨と梅雨とはどのような関係にあるのだろう。辞書には「陰暦五月頃に降り続く雨。つゆ。梅雨(ばいう)。長雨(ながあめ)」とあり、梅雨の長雨であることはハッキリしている。陰暦であるので現在の6月8日に当たるので、きっと気象庁の予想は、歴史的経験則に基づくものなのだろう。
やがてやってくる梅雨は毎年のことで、この歳になると、それはそれで風情のあるものである。梅雨を楽しむとまでは行かないが、初夏の叙事詩ともなる梅雨を、古き歌人たちはどのように詠っているか拾い出してみた。
「紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘」これは正岡子規の一句で「人の心も花の色のように移ろいやすい」という気持ちがよく出ている。紫陽花は梅雨を代表する花で、私もこの花(疑似花だが)しか目に浮かんでこない。
「 さみだれや大河を前に家二軒」この句は蕪村の読んだ歌である。蕪村 62歳の作。そこに浮かぶ光景は「五月雨が降り続いて勢いを増した川が流れている。そのほとりには危なげに家が二軒建っている」
「正直に梅雨雷の一つかな」一茶。これも知られた句。よく雷が鳴ると梅雨が明けるというところから「もうそろそろ梅雨が明けるのだろうか」とでも詠んでいるのだろうか。「正直に」という言葉が何やら意味深である。
ここで角川のハンディー入門歳時記で『梅雨』の解説を見ると「やや早い時期。
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