2017.5.4生活の知恵(その五)
人は生きていくためには食べなければならない。 そんな中で「これとあれは一緒に食べてはいけない」という、「食べ合わせ(食い合わせ)」のタブーがいつしか生まれた。それも人が長い食生活の中で学んだ知恵(伝承)の一つだろう。
今回は全部は紹介しきれないが、いくつかの「科学的根拠もあるといわれる相性の悪い食い合わせ」について例を上げてみた。
力二と柿
蟹はビタミンB1・B2が多く、栄養の代謝を良くするといった一面を持つが、傷みやすいといった面も持っている。傷みやすいカニと、消化の悪い柿の組み合わせ。蟹も柿も体を冷やすため、一緒に食べるとダブルパンチで身体を冷やす。冷え性の人は症状が重くなるので注意が必要だ。また、この組み合わせは、山の幸と海の幸の組み合わせでもある。昔は両方を一緒に食べようとすると、食材を調達するまでに時間が要して、どちらかが傷んでしまうことがあったため、食中毒になったという戒めでもあるそうだ。
酒とからし
酒と同様に辛子などの辛いものも血行を促すため、かゆみが出てしまう可能性がある。 蕁麻疹(じんましん)や湿疹が出やすい人は、注意喚起。高血圧、糖尿病、高コレステロールなどの生活習慣病も助長するという。
ざるそばに豚肉
ビタミンB1が豊富な豚肉は、体や脳の働きを活発にするが、体を冷やす作用も。冷たい蕎麦との食べ合わせは胃を冷やし、栄養素や有効成分の吸収を妨げるところから相性が悪いとされている。
ウナギと梅干し
これは結構知れ渡っている食い合わせの悪い代表例だ。鰻の脂と梅干しの強い酸味が刺激し合い、消化不良を起こすという説が有力である。実際には、酸味が脂の消化を助けるため、味覚も含めて相性の良い食材である。ただし、胃腸が弱っているときは、脂分と酸味の強い食べ物を多量に摂らないようにするのが大人の作法とされている。
てんぷらとスイカ
これも有名な一つ。油の多い天麩羅と、水分の多い西瓜を一緒に食べると、胃液が薄まり、消化不良を起こすことがある。胃腸の弱い人、特に下痢気味の人は、避けたほうが無難。腹痛の波が大荒れになってしまう。
かぼちゃとみかん
これもありそうな一つだ。みかんの食べ過ぎでも指摘されることだが、この両方を組み合わせるとカロチンの過剰摂取になり、身体が黄色くなり、酷くなると腎臓を傷めることもあるので、食べ合わせには注意が必要だ。
キュウリとトマト
これもよくありそうなパターンだ。キュウリに含まれるアスコルビナーゼという酵素がトマトなどのビタミンCを破壊してしまう。
ただし、キュウリを酢の物にしたり、漬け物にしたりすれば、酵素の働きを抑制してくれる。
まだまだいっぱいあるが、この話はここまでとする。
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