2017.10.3 野次馬の目線で
私は政治ネタは扱わないと決めている。これから記すことは人間の執念ともいうべきものをまざまざと感じさせる、極めて分かり易い現象である。
言ってみれば政治における人心掌握術の正体をまざまざと見た。最初のアクションは9月25日突然安倍晋三首相が解散を表明。これは首相の独断で、このタイミングでなければ選挙に勝つことが出来ないと判断したからであろう。解散理由は後付けで何の意味も持たない。きっと内閣支持率はここがピークと見たのであろう。権力の座を死守するという執念のようのものを感じさせられる行動だ。
このまま選挙に打って出れば、今の野党の有様では十分現有勢力を維持できると踏んだのだろう。選挙とは椅子取りゲームのようなもの。多くとった方が勝ちである。
ここには多分「今こそその時」という感が働いたに違いない。マスコミもこぞってこのハプニングな解散劇に飛びつくだろう。実際その夜の報道番組全てに顔を出している。表出度を高める作戦である。それほどマスコミでの取り上げ如何は選挙に大きな影響度を持つ。
ところがここに思わぬ伏兵が現れた。その人は小池百合子都知事である。マスコミ操作を知り尽くし劇場型に話題を展開する名人である。安倍首相の爆弾が炸裂する僅か3時間半前に、突如新党旗揚げを発表した。
この動向は前々から取り沙汰されていたものだが「先んずれば人を制す」の譬えにあるように、この瞬間をとらえて打って出た。まるで真田幸村のような知略である。呼応するように全てのマスコミがこれに飛びついた。
それからは一人芝居。側近をも欺く発言を連発して、まだ実態のない政党「希望の党」の党首として、その存在感をアピールしている。それに惹かれるように野党第1党の民進党さえ解党騒ぎの真っ只中にあり、議員たちは保身のために右往左往している有様である。
こうした動きは小池氏の政権奪取そして首相への道の第一手であることは確かである。政治家として最高権力の座を得ることはまさにドリームなのだろう。
今マスコミの話題は10月5日までに小池氏が選挙に打って出るかのひとつに絞り込まれて騒ぎ立てている。
こうしてみると、人の思惑で政局が変わるのではないかとさえ思える。現在大博打に出た二人の権力志向の争いが火花を散らしている。結果はどうあれ、政治家ほど執念の強い人種は他にいないだろう。
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