2017.10.6 知恵
「絞れば絞るほど出るものナーニ」答え「知恵」。のっけからナゾナゾから始めてしまったが、このコラムでもしばしば紹介した、人たちが絞り出した多くの知恵が、生活の上で生かされている。
そこで今回は、知恵とはどう定義されているか事典(辞典)で調べてみた。
「一般に知恵は判断、思慮分別の卓越性を両極にもち両者は相補的関係に立つといえる」他にも知慧と書く場合、これは仏教用語で「空など仏教の真理に即して、正しく物事を認識・判断する能力」。さらには哲学用語として「単なる学問的知識や頭の良さではなく,人生経験や人格の完成を俟(ま)って初めて得られる,人生の目的・物事の根本の相にかかわる深い知識。叡智」とある。
最も簡明に説明しているのは、旺文社の国語辞典で「物事を考え、判断し、処理する能力。知能」と書かれている。調べるまでは知恵というものが、これほど奥深いものだとは思わなかった。
こうしてみると、おばあちゃんの知恵袋などは、ずばり哲学的用語の範疇に入るのにはいささか驚いた。単なる思いつきではなく、長い経験に裏打ちされた知恵の結晶であることが分かる。
人は事に当たっては何らかの知恵は発揮するものだ。これは国語辞典での説明に当てはまる。知恵袋とは全く違う判断や処理に当てはまる知恵と言えるだろう。
子どもは知恵の塊のようなもので、育つという人生経験の中で子どもなりの知恵を発揮して成長していく。一方超高齢者の「終活(しゅうかつ)」とか「エンディングノート」などは、一時期話題になったことは、自分に残された時にけじめをつける一種の知恵の結晶ということができるだろう。
知恵には善悪という倫理的規制がない。悪知恵という言葉もあるくらいだ。オレオレ詐欺などで代表されるものである。「知恵は万代(ばんだい)の力」という諺もある。これは「優れた知恵は、時代を超えて役に立つ宝である」という意味である。知恵はそういった形で発揮してもらいたいものだ。
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