2017.8.6 心の中に潜む虫
今回の虫は、人の心の中に潜む虫についてて話すことにする。
虫の居所が悪いなどといって、これは心の中で動き回って、不思議な力を発揮する目にも見えず、バイ菌でもない虫の存在である。
どんな虫が住んでいるのか挙げてみよう。
子どもに多いのが「(癇)の虫」で、一種のヒステリーのように泣き止まない症状を引き起こす虫である。「泣く子と地頭には勝てぬ」というほどこの虫は強い。
「虫の知らせ」という虫もいる。これは一種のお告げのような神秘的虫で、その虫が働く人もいる。この場合、大概人の生き死に関するものが多いようだ。
人に対する好き嫌いの虫として「虫が好かない」というのもある。これなども相性のようなものを本能的に嗅ぎ分ける虫で、絶対仲良しにはならない。もっとも相手もそう感じているかも知れないが。
納得できない時に頭を持ち上げる虫を「腹の虫がおさまらない」などと表現する。この虫が収まらないと最悪刃傷沙汰になる。
これは人から見た場合で「虫がいい」と呼ばれる虫がいる。これは「自分の都合ばかり考えて他を顧みない。身がってである」と大辞林では表現している。
日本人は結構「虫」という言葉を使う「本の虫」「仕事の虫」「勉強の虫」などは、ひとつ事に熱心な「虫」で、一匹ぐらいは住まわせてもいいような「虫」だ。
これは情けない「虫」で「弱虫」「泣虫」「ふさぎの虫」意気地がない。
中には人に嫌われる「お邪魔虫」などいう「虫」もいる。これはかなり大きい虫で、獅子身中の虫という虫もいる。この虫は内部にいながら害をもたらす者や、恩を仇で返す者のたとえである。
言葉の由来は、獅子の体内に寄生しておきながら、獅子を死に至らせる虫の意味から。もと仏教語で、仏教徒でありながら仏教に害をもたらす者のことをいった。
こうして「虫」についていろいろ見てきたが、明日は立秋もう秋である。人の中に棲む虫より、美しい声で鳴く鈴虫が私は好きだ。
2017年の記事を閲覧するには日常細事のアイコンをクリックしてください。
©2013 papa's_pocket. All rights reserved.