2018.1.14 歌会始
12日宮中で歌会始の儀が厳かに行われた。今年のお題は「語」古式に則った優雅そのもの、いかにもゆったりとした雰囲気の中で粛々と詩を朗読するような声が流れている。普段気にもしない「侘び寂の世界」とはこういった形で伝えるのかなとふと思ったりした。
今年の両陛下のお詠みになった歌を紹介しよう。
天皇陛下 語りつつあしたの苑(その)を歩み行けば林の中にきんらんの咲く
皇后陛下 語るなく重きを負いし君が肩に早春の日差し静かにそそぐ
夫唱婦随の絶妙な空気が流れている。
歌会始は古く奈良時代には行われていたと、万葉集に記されているそうである。
歌人と言えば学問の神様と呼ばれる菅原道真の次の歌はあまりにも有名である。
東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ(現代訳:春風が吹いたら、香りをその風に託して大宰府まで送り届けてくれ、梅の花よ。主人である私がいないからといって、春を忘れてはならないぞ)
菅原道真の和歌は「菅家(かんけ)」という名前で、小倉百人一首に選ばれている。学問の神様として祀られるほどの人物だったため、尊敬の意味を込めて菅家や菅公と呼ばれていた。その一首
このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに
折しも受験シーズンである。太宰府天満宮には多くの受験生が詣でている。
そこで私も和歌には弱いが、返歌の真似ごとの一首
春の日にいつか戻ると歌に込め時空を超えて語り継ぐなり 風楽
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