日常細事2018


kiji


2018.1.25 CMの力(2)
 今回は大手企業のキャッチコピーを見ながら企業のイメージ戦略を解き明かしてみた。
 任意に選んだ日立、東芝のCMの中にそのカギを探ってみる。
HITAGHI Inspire the nex't
 このキャッチコピーは日立グループのビジョン実現への思いを宣言したスローガン。
「Inspire」の語源は、ラテン語の「In」(中へ)+「Spirare」(息吹)で、「中に吹き込む」、「膨らませる」、「鼓舞する」という意味のほか、「精神、意識を高揚させる」、「元気づける」などの意味を持つ。
「Next」の右上に赤く伸びるラインは「Inspire Flash」という。日立がさらに伸びていくという姿勢、新しい時代に進んでいくという意思の強さを象徴している。
 造語を一間英語のように見せかけて一種のロゴのように見せている。説明を読まないと戦略のイメージが湧いてこないのは残念だが、日立のコマーシャルの最後のナレーションに必ず出てくるので徐々に記憶されていくイメージ戦略と言えよう。
TOSHIBA Leading Innovation
 「私たち、東芝の使命は、お客様に、まだ見ぬ感動や驚きを、次々とお届けしていくこと。
 人と地球を大切にし、社会の安心と安全を支え続けていくこと。
 そのために私たちは、技術・商品開発、生産、営業活動に次々とイノベーションの波を起こし、新しい価値を創造し続けます」
 東芝ではこれを東芝ブランド・ステートメントと呼んでいる。一種の社是と言ってもいいだろう。歴代の社長ら役員は、財界活動に積極的であることも知られている。石坂泰三(第4代社長)と土光敏夫(第6代社長)が経済団体連合会会長に就任するなど業界のリーディングカンパニーとして輝いていたが、2015年発覚の粉飾決算事件を契機とし衰退著しく、TOSHIBA Leading Innovationという言葉が聴かれなくなってしまったことは残念である。
 CM一つとっても企業の栄枯盛衰を読み取ることができる。

 
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