日常細事2018


kiji


2018.10.14 しつけ(躾)と行儀作法(6)
 今回は「立ち振る舞い」についての礼儀作法について検証する。
正しい姿勢の取り方
 姿勢が良いか悪いかは、外面的なものであって、その見え方で人に与える印象が違ってくる。年を取って背中が丸くなるのは、これは仕方のないことである。中にはシャンと背筋を伸ばしたお年寄りも見かける。その姿を見ると何かその人の生活態度までぴしっと決まっているように見えてくる。どんな姿勢が良いのかというと「直立の姿勢」を例にあげてみる。
 軍隊ではないが、学校で「気をつけ」などと号令をかけられた時のことを思い出すと「頭はまっすぐにし、足は踵をそろえ、膝を伸ばし、足先は60度ほど開く。下腹部に力を入れ、両手は指先を開かないように自然に下げる。顎を引き、口を閉じ、目は正面を見る」というのが正しい立ち姿とされている。
 着席の姿勢も上半身は立った時と同じ姿勢で、椅子になるべく深く座る。背中は椅子の背にもたれかからないようにする。両手は膝の上に置くか、軽く組む。こうすると確かに見栄えはいいのは当然である。
 とはいえ、こういうしゃっちょこばった姿勢はそう長くは続くものではない。大体号令などでも5秒位で「直れ」の号令がかかる。直れの後は少し足を開き、手を後ろで組むと、応援団のようなスタイルになり、これは結構長持ちする。実はこの「気をつけ」の姿勢は明治時代に西洋から輸入された体操の姿勢からきているのだそうだ。その見本となるのがバッキンガム宮殿の衛兵の姿勢であるとされている。
 座った時の手の組み方にも作法がある。どちらの手を上に置くかである。これの決まりは左手を右手の上にするのだそうだ。これは私もこれを書くまで知らなかった。これには理由があって、古来、日本では左側が尊いとされてきた。これは紫宸殿にある天皇の玉座に関係があり、天皇が座った時に左手が日の昇る陽、右手が日の沈む陰になるので、陰陽学的に左手を上位としたのだそうである。
 私には今ひとつピンとこないが、参考文献から引き写すとこういうことになる。兎角決めごととは堅苦しいものである。次号は歩き方などについて記述する。


 



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