日常細事2018


kiji


2018.10.18 しつけ(躾)と行儀作法(7)
 今回は歩き方の作法について検証する。
 明治以降西洋の文化が流入し、着物から洋服の世界に入り、日本人の歩き方にも大きな変化をもたらした。
 これは基本的に西洋の体操の歩き方を導入にしたものである。
 はじめに室内の歩き方であるが、これは日本の伝統的作法でも同じで、ドタバタと大きな音を立てないよう、静かに歩くために足に力を入れないようにする。
 階段や廊下も同じように、できるだけ音を立てないように歩くことがマナーになっている。室内を歩くとき忘れてならないのは敷居を踏むことと、物をまたいではいけないということである。実際今の住宅事情では、こういうマナーを教え込むのは難しいかもしれない。
 外を歩く時の姿勢であるが、これも、あくまで「かくあるべし」と言った部類に入るものである。歩く時の良い姿勢とは次のような姿になる。膝を伸ばす。すると腰が上に方に引き上げられて、自然に背筋も伸びる。胸はやや張るようにすると、上体が揺れないでスイスイ進む形が恰好いい。
 学生などがよく横に広がっておしゃべりしながら歩く姿を見かけるが、これは人迷惑でマナー違反もいいところだ。横並びは二人までが作法とされる。
 室内に入る時のドアの開け方にもルールがある。よくクリニックの診療室に入る際、どうしているだろうか。私はこれは文献を読んで、やっと気がついた。入室前には軽くノックする。ドアノブが左側に付いていたら右手で、右側につて付いていたら左手でドアノブをつかむ。右利きの人はつい右手を使いがちなので気をつけよう。ドアノブを回転させてドアを開け、室内に入ったらドアノブの手を持ち替えて静かに閉める。体が一回転することになり、後ろ手に閉めるということがなくなる。向き直って医者に挨拶するのが礼儀である。 次回は食事の時の作法について紹介する。


 



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