日常細事2018


kiji


2018.10.7 しつけ(躾)と行儀作法(4)
 今回も挨拶の続きで、座っての挨拶のやり方について述べる。
 最近は洋間の場所が多いので、座敷などで座って挨拶することは殆どない。それでも形式は残っている。正座をしたら相手に注目する。上体を前に傾けながら、両手を膝頭の前に進める。両手の指先が10cm離れるようにして、座面に手をつく。と可成り作法とはややこしい。続いてこの時手の形は八の字の形になるようにする。頭は座面から拳一つ程度まで下げ、しばらくそのままの姿勢(一呼吸分)を保つ。その後、上体を起こし、元の姿勢に戻る。とまあ作法とは厳格なものである。
 次は立ったままでの挨拶のやり方に移る。朝礼などのシーンを思い出してもらいたい。これは立礼という。「おはようございます」の号令がかかり、全員も呼応して大きな声で応えて礼をする。姿勢は真っすぐで、上半身をゆっくり前方に曲げる。両脇にある手は、身体を傾けるのに合わせて腿の前に持って行き、そのまま指先が膝頭の上の高さに達する程度に下ろす。
 この所作など、異国の人たちにはさぞ珍しく映ることだろう。それほど日本の礼儀作法は多岐にわたる。
 これらに加え西洋から入ってきた敬礼もある。握手などがあげられるが、これは明治期に文明開化の響きと共に伝わったもので、通常の握手は、必ず右手て行う。ルールとしては、目上の者と握手する場合は、自分から手を出すのではなく、目上の者が手を差し出すのを待ってから握手する。西洋ではレディーファーストであるが、日本においては男女間では握手ではなく、お辞儀することが多い。握手の時は、黙ってするのではなく「お元気ですか」とか「ご機嫌いかが」という言葉を交わし、その言葉が熱が入るたびに、相手の手を握りしめたまま振る。
 というとどこかの国の大統領と首相の握手が目に浮かぶ。私などは久し振りに友達に会って「よう元気かい」と言って握手した覚えはある。次回は「会話」「振舞い」について述べる。(出典:行儀作法の教科書 横山験也著より)

 



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