2018.11.24 道具の移り変わりⅥ
子どもの頃、学校の理科の時間に糸電話の実習をしたことを覚えている。これは紙コップ(手製)に穴を開け、そこに糸を通し2~3メートル伸ばした先に同じような紙コップに繋げるという仕組みで、それで片方の生徒が紙コップに口を当て、他方の生徒が耳に紙コップを当てて、送話と受話を交互にするという学習だった。
これこそ電話の基本原理で、それを長距離で通話することを可能にしたのが電話機である。
子どもの頃の記憶で確かではないがNHKの朝ドラで昭和の戦前のシーンで観ると、電話機は据え付け型の木箱に送話器(現在のマイクロフォン)とダイヤルが前面に、箱の右側面に受話器(現在のイヤフォン)というスタイルであった。
『大辞林』では、電話機とは「音声を、電流・電波を媒介に伝送・再生して相互に通話する装置。送話器・受話器・電話線・交換機などからなる」と解説している。
少し時代が下がると黒電話という今の電話の原型が発売?(電電公社との契約)され、私の実家では今でもこの黒電話を使っていて、ダイヤルをギーコギーコと回して発信するという、今や骨董品のような存在である。それでも50年近く働き続けているのだから極めてタフである。
いま家にある電話機はプッシュ型でピポッパと指で押すものでFAX機能もあり、子機もついており、おまけに電話番号を記憶できるもので、黒電話に比べ飛躍的に進歩したものだ。それでも、これは2世代型で有線電話の最後を飾る存在であろう。
今は無線の電話の時代で、システム自体が大きく変わって衛星を使うGPS機能を備えた機器になっている。第3世代は俗にガラ携といわれる液晶画面とプッシュホン型のダイヤルがついていて、右手(左利きは左手)一本で操作でき、メールを送ることもができるので、高校生を中心に急速な広がりを見せた。その使いやすさから、第4世代のスマホに移行しても高年齢世代を中心に根強い人気を保っている。
現在は私もスマホ派であるが、この歳になると覚えることが多く正直使いにくい。移行した個人的理由はさておき(2016.6.2 スマホに悪戦苦闘で記載)、若者たちを中心に幼児に至るまでスマホを持ち歩くという社会現象すら起きており、年代を問わず小型のパソコンを持ち歩くような時代に入っていることは間違いない。次回は消えてしまった電化製品について述べる。
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