2018.9.15 仮名遣い(2)
仮名文字は日本で生まれ、育まれてきた代表的文化であることは、紛れのない事実である。仮名文字の歴史をここで振り返ってみる(言葉の百科事典:三省堂)。
仮名が作られる前は国語は文章で書けないので、中国語(漢文)で書いていた。国語を書くには漢字の音を国語に当てはめて漢字だけで国語を書く「万葉がな」が用いられていた。日本で独自に生まれた仮名は、漢字をもとにして今から約千年ほど前に誕生したものなのだ。
ひらがなは「字源」でも示している、漢字をつづけたりくずしたりして書いた草書体からできたもので、 平仮名の元になったのは、奈良時代を中心に使われていた借字(しゃくじ)である。平安京に都が遷されて以降、借字として使用されていた漢字の草体化が進んで、平安時代弘法大師によって作られたという俗説がある。
平安時代の貴族の女性は、大和言葉を用いた平仮名を使って多くの作品を残した。 女流文学が平仮名で書かれた以外にも、和歌や文(ふみ)などには性別を問わず平仮名を用いていた。それにより女手(おんなで)とも呼ばれた。
仮名は現代では四十六字ある。今は見られない"ゑ、ゐ、ヱ。ヰ"を加えると、ひらがなでもカタカナでも四十八字になる。
一字で一音だけを表すのであるが、「は」をhaともwaとも読む例はいくらでもある。
そこで 話を前回から引き継ぐと、私にとって見分けが付けにくいのは「は」と「わ」の使い分けと「へ」と「え」の使い分けの2種類である。比べながら検証することにする。
先ず現代仮名遣いは、助詞の「は」「へ」「を」そのまま残した。その結果「わたしわ学校えいきました」と書いても間違いではない。つまり歴史的仮名遣いと併存しているという紛らわしさが生じている。ここでその分かりにくさを、作家井上ひさし氏の「日本語文法」から紹介すると、
「こひ」か「こい」か、「たひ」か「たい」か、「うぐひす」か「うぐいす」か、「いてふ」か「いちょう」か、「かへる」か「かえる」か、中略「ふぢ」か「ふじ」か、「うづら」か「うずら」か。先に記したのが歴史的仮名遣いで後に記したのが現代仮名遣いである。
これでますます混乱してしまった。
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