日常細事2018


kiji



2019.2.10 日帰り手術
 年を取ると耳が遠くなったり、眼が見えにくくなるということはよく聞く話である。私も多分に漏れず眼の白内障がひどくなり、眼科医に手術を勧められてクヨクヨしていたのだが、ついに受けることになってしまった。
 特に左目がひどく霞んで見えるようになったため、左目だけ手術を受けることにした。
 手術は大体一日ぐらいは入院すようで、友人の場合は四日入院したそうだ。事前に執刀医と相談したところ「日帰りでもできる」というので、渡りに舟で即答して日帰りと決まった。
 6日の日に妻同伴で来てくれということで、これは帰りに眼帯で片目歩行になるため介助が必要だということだった。午前中に病院に出向き、先ず事前の検査を行い、午後3時ごろに手術と決まった。午後食事をとって1時過ぎに手術前準備の洗眼や心電図などをとって控室で待つことになった。ベットに横になり点滴なども受けると、もう2時を過ぎており、手術前30分にルールにより車椅子で手術室に向かった。手術は20分~30分ほどかかるという話であった。
 ところが前の患者が出血したらしく、1時間近くかかったということで少し怖くなった。人伝であるが「アー簡単だよ」という話であったが、例外はどこにもあるようだ。私はそうならないことを念じた。
 いよいよ私の番になり、手術台に上った。手術と言ってもメスは使わないようである。5ミリ程度のコンタクトレンズ状のものの左右にやはり5ミリ程度の細い糸(金属?)がついており、それで眼球に固定するらしく、局部麻酔して行う。
 最初に目をクリーニングするため、大きく見開いた瞳孔を洗浄する。その時色々な色彩が目の中を飛び廻る不思議な光景を見ることになる。そのうち”ズキッ”という感じがした。たぶんそれがレンズを固定した瞬間だったのであろう。最新型の手術台は随所に進行状況を知らせる人工の声が「システム○○」といった塩梅のアナウンスが耳に聞こえる。「フィニッシュ」といった声がしたので、全工程が終わったのと分かる。約20分で手術完了である。少し緊張したが無事に終わった。
 そのあとのケアが大切らしく、3種類のやたらに染みる目薬と抗生物質3日分、それにゴーグルを買わされた。術後1週間ほどは風呂にも入れず、目がかゆくても触れてはならぬということだった。
 帰りはやはり片目で歩きにくく、何十年ぶりかで夫婦で腕を組んで歩くことになった。
 翌日再度病院に赴き、眼帯を取ったら別世界が展開していた。いいはずの右目が少し白内障が進んでいることが分かるほどの違いである。
 その日は「一人で歩きなさいと」女房殿はそっけなかった。


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