日常細事2018


kiji



2019.5.23  頭の生理学的考察(10)
 人の脳は全体の10%程度しか使われていないという説がある。現在ではこの「脳の10%都市伝説」は正当性を欠くということで定説とはなっていない。ところが都市伝説は消えたようにに見えるが、今でも語り継がれており、それだけ脳に関しては完全に解明されていない疑問が多く存在していることを裏付けている。
 今回は脳には色々な働きがあるが、知能とはどういうものなのだろうか。よく脳の皺の数が多いほど知能が高いというが、では知能指数との関係はどうなのか。そうした疑問について考察する。
 次に脳の重さやしわは頭のよさと関係があるのだろうか。前回日本人成人の脳の重さは男性:1350~1400g・女性:1200~1250gと記したが、重さだけで比べれば男の方が重いから、それだけ頭が良いかというと、決してそうではない。男女は生物学的には様々な点んで異なっていることが判明しているが、どちらが優位ということは言い切れない。
 そうなると結局、私が思うに、残るところは頭の皺の多さが頭の良さに通じるということになるのだが、これも明確な判断基準にはなり得ていない(次回に検証する)。
 それでも客観的測定方法として知能指数が挙げられる。これには男女差別はない。知能指数(IQ)とは数字であらわした知能検査の結果で、近年では「同年齢」を基準とした算出法が標準とされている。これは「同年齢集団内での位置」から算出される相対評価で、大学入試に使われる偏差値と同じで中央値と標準偏差によって算出される。中央値を100としてIQが高いとか低いと判定する。大体70–130の間に約95%の人が収まるそうだ。
 入社試験などでは、感情表現の豊かさや、仕事への意欲、人間関係を築く能力などを示す「EQ」を重んじて、人材の登用を行う企業も増えている。EQでは問題処理能力や事務処理能力に加え、環境に適応する能力や仕事に対するモチベーションをコントロールする力など、知能を多面的にとらえたより実質的な判断材料となっている点が「知能」を重視するIQとは違う判断基準として広まっている。これなどは脳の働きを実質的にとらえる研究成果の表れと言えよう。次回も頭(脳)の働きについて考えていく。



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