2019.11.10 東北地方青森県(お国柄6)
今回は東北地方を紹介したいと考えているが、最初に書いたように県単位に分けると6県にまたがる広さであるので、どうしても県別に見ていかざるを得ない。
最初の青森県は大雑把に言って旧津軽藩と旧南部藩に分かれており、津軽地方とは現在の青森県西部を指して言う地域呼称である。一方、南部地方は江戸時代に南部氏の所領だった地域で、現在の青森県東部がその一部となっている。
こうしたことから同じ県内でも西と東とでは気質が違う。地域的には日本海側の津軽と太平洋側の南部とは文化も言葉も異なっている。津軽は陽気で積極的なのに対して南部は引っ込み思案的といわれる。 何かにつけて津軽と南部の根深い対立もあるのだが「じょっばり(強情張り)」気質だけは南部・津軽に共通しているところが面白い。
青森県人の「じょっぱり」ぶりは半端ではなく、青森名産のリンゴの名前をきめる時に秋田と福島と協議したのだが、青森は雪が多く「雪ノ下」という名称を主張したそうなのだが、秋田や福島はそれほど雪が多くないので、それに反対した。ところが青森は一歩も譲らず、青森単独の名称にしてしまった。そのリンゴはいま「フジ」として受け継がれている(津軽富士にちなんだのか?)。ここまでくると子どもが駄々をこねるような領域で、青森ではこれを「ごんぼほる」という。「じょっぱり」と紙一重の気質である。
先にも述べたように、言葉の面でも津軽と南部では明確に分かれる例がある。「昨日は寒かった」は津軽地方では「キナ サブフテアッタ」と言い、南部地方では「キノ サムカッタ」とまるで違う。私が聞けば南部の方がよく分かる。このように言葉の面ですらお互い譲らない。「じょっぱり」の面目躍如といったところか。
恐らく青森県人に「どこのご出身ですか」と尋ねれば「津軽」または「南部」と答えるのではないだろうか。確かめたわけではないので、そうとは言いきれないが、両方の「じょっぱり」は相当に根深(ねぶたではない)そうだ。 続く。
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