日常細事2018


kiji

2019.12.13 中部地方山梨県(お国柄16)
 中部地方は、日照に恵まれ農耕が盛んで生産が豊かなところから、多くの街道、集落が発達して商業的な気風が高い土地柄である。 しかし大阪のように全国から商人が集まって自由に取り引きするようにはならず、土着の人たちは排他的で、同じ地域内の者同士であっても競走しあい足を引つ張り合う独特なキャラクターを形づくっている。  
 こうした背景には相互の権力争いが続いた歴史的背景がある。戦国時代に織田信長が創り上げた近世国家を、愛知県人の豊臣秀吉、徳川家康が全国に普及させた。
 甲斐の国は戦国時代には武田氏が国人勢力を征圧して戦国大名化し、武田信虎期に開創された甲府が城下町として整備され、政治的・経済的中心地となった。「人は石垣人は城♪」甲斐国(山梨県)が生んだ戦国時代の名将・武田信玄と配下たちの出陣を描く流行歌『武田節』の有名な一節である。戦いに勝つも負けるも,要は人(兵士たち)の団結いかんであることを歌っているのだが,山梨県人の最大の特徴は,その強い結び付きにある。
 団結を象徴するのが「無尽」である。江戸時代に始まったもので,かつての相互銀行の原型を成した互助システムのことをいう。毎月1度,決まったメンバーが集まって,決まった金額を出し合い,それをプールしておく。メンバーの誰かが,冠婚葬祭はもちろん,商売の資金が足りない,急な物入りがあるといった事態に遭遇したとき,蓄えたお金から融通するのである。時代は変わった今でも決まったメンバーが毎月集まるという形は続いている。
 実際,山梨県では,職場,地域,同窓・同級,趣味のサークル,近所の主婦同士,集まる単位はさまざまながら,誰もが何かしらの「無尽」に属している。
 山梨県」は県土の約78%が山林で,可住地は県土の21.1%,経営耕地面積も5.3 %ほどである。海に面する場所はなく「山はあってもやまなし県」というほどたくさんの山に囲まれた盆地である。夏は暑く冬は寒い県。高い山は、強風を運ぶかわりに湿った風をさえぎるため晴れの日が多く、比較的天気がいい土地である。そうした地形から山梨のブドウが栽培され、特産品として全国に売りさばかれている。そこには「企画力やアイデアに富む」県民性が見られる。
 他方で、山が多く平坦地が少ないため農作物が取れにくく、農耕地も限られ、後継ぎである長男以外は貧しい生活を支えるために出稼ぎ商人として大風呂敷に呉服物を包んで動勉に売り歩いた。
 こうして負けず嫌いで強気な、アクの強さで有名な甲州商人が誕生した。こうした商人を地元では「メチャカもん」と呼ぶ。続く。

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