日常細事2018


kiji

2019.12.16 中部地方長野県(お国柄17)
 長野県には諏訪湖という大きな湖があるが先述の山梨同様海がなく山に囲まれた盆地である。従って県民気質は山梨に似たところが多くみられる。交通路としては、東海道も北陸道も通っていないが、中山(仙)道の街道筋にあり、絶えず刺激を受けて文化が豊かに育った。
 江戸時代から盛んだった寺小屋教育を引き継いでいるので教育熱心で知的水準が高い。
 海に面していないので塩を貴重なものとして「塩の道(塩の道は日本全国にいくつもあり特に日本海側の越後と信州を結ぶ千国街道(糸魚川・松本・塩尻)が塩の運搬に関する遺構も残されていて良く知られている)」を通じて運びこんだ。
 山に囲まれた盆地によって生活様式が違うが、県民性は律儀さが強い。義理堅く律義なところは全国屈指だという。
 県民性研究の第一人者、岩中祥史氏によれば「47都道府県の中でも、最も強烈な個性を持っていると言えるのが長野男性です。その特徴は、理屈っぽい、そして議論好きの二つと、もう一つ、勉強熱心というのもよく指摘されます。長野県は海に面しておらず、山間にあるため、人が住む所は主に盆地でした。山が多く、交通の便も悪いため、それぞれの地で培われた気質が混じり合うことはほとんどありませんでした。そのため小さな地域に分かれた町や村では、どこの人たちも、自分たちが"標準"だと考えていました。冬場の厳しい気候が長野男性の気質に拍車を掛けます。こうした狭くて孤立した地域社会の中では義理堅く律義な生き方が重視されました。その結果、全国でも屈指の生真面目な性格が育まれました。いまでもその傾向は強く、長野では不正直な人、軽薄な人は嫌われます。その裏返しなのか柔軟性に欠け融通が利かない、何かあったとき臨機応変な対応が苦手というのも長野男性の大きな特徴」とある。
 総合的に言って長野県は全国第4位の広い面積を持ち、長野市、松本市、飯田市、上田市と4つの文化圏を形成し、それぞれ独自の県民性があり、なかなか一口でまとめるのが難しい地域ではある。
 長野弁「おらほうじゃあ『のびろ』ってせっているけんど、ほんとは『のびる』ってせうらしい。(中略)こん時だけしか食べらんね からつい箸伸びてしまう。 そだから『のびる』ってせうんかやあ」
 標準語「私たちのところでは、『のびろ』と言っているけれど、本当は『ノビル』というらしい。(中略)今しか食べられないから、つい箸が伸びてしまう。それで、『のびる(ノ ビル・伸びる)』というのかなあ」 続く。

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