日常細事2018


kiji

2019.12.7 北陸地方石川県(お国柄14)
 石川県は、加賀と能登の二つの国だった。江戸時代には加賀の前田家がこの二国と富山を支配した。幕府は常に豊かな国加賀藩への警戒を怠らなかったため、藩主は文化を奨励して中央の緊張緩和に心がけた。こうして加賀文化はそのまま後世まで引き継がれた。加賀藩を守るため、控えめで事を荒立てずに済ました歴史が育んだことが県民性に深く影響している。
 2011年発表の「幸せ度指標として法政大学ランキング」では、北陸3県を高く評価している。 ランキングでは、富山7.20点(2位)、石川6.90点(3位)、福井7.23点(1位)と北陸3県が揃って高い位置にある。さらに2016年の調査では2位に割り込んでいる。石川が高い指標を示しているのは「学ぶ」で、これこそ加賀藩の伝統が生きている証で「本好き」「勉強好き」が多いという。
 石川県は広大で豊かな土地に育まれ、県民性は穏やかである。反面インテリにありがちな優柔不断な性格が特徴である。消極的でおっとりとした人が多いのは、進取の気持ちもなく、行動力・決断力に欠けるのが特徴だとも言われている。当然、自分の意見をはっきりと言う人も少ないのでイライラすることも多いそうだ。慎重でおとなしいが、忍耐力だけはあるので、コツコツ真面目に働く。なかなか感情を表に出さないので、最初は付き合いにくいが、時間をかけて親交を深めればOKだという。これはネット調べで私は能登には行ったこともないから、あまり鵜呑みにはできない御高説ではある。
 東京や関西とは異なり東北や北陸では 役人がモテる、市役所や県庁勤めの役人なら初めての酒場でもツケを断られることはまずないという話は本当のようだ。これは権力に弱いという一面を示している。
生来おっとりとして他人を押しのけてでもという積極性がないぶん、ビジネスの場で置いてきぼりを食いやすい。
 この積極性の無さは次のようなエピソードを残している。明治時代の言わば日本のルネッサン期に隣の富山県が「これからは工業だっちゃ」と工業化に積極的に取り組んだのに対し、石川県民は「別に工業なんかに力を入れなんでも、十分食っていけるけんね」と兎と亀の競争ではないが、取り合わなかったそうだ。その結果が近代化の波に乗り遅れたと伝えられている。京都のように古きよき伝統を守り続けたことが「新しいものは苦手」という県民性を浮き出させている。
 「金持ち喧嘩せず」のことわざにあるような県民性は時代に翻弄されない「賢い」県民性なのかもしれない。 
 「そんなあわてんと、いんギらーっとしていくまっし」(そんなに慌てないで、ゆっくりとしていきなさいよ) 続く。

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