日常細事2018


kiji



2019.7.4 小さなこだわり
 私には少なからず、物に対するこだわりがある。前回紹介した「カバンは人生を映す」がその最たるものであるが、私にはこのように妙にこだわるところがある。
 人はこだわることが動機づけになることがある。工夫などはこだわりの所産と言っても間違いはあるまい。
 もともと「こだわるとは 気にしなくてもいいようなことを気にする。拘泥する」といったほどの意味で、あまりいい印象を与える言葉ではない。ところがこの使い方には最近では「些細な点にまで気を配る」、「思い入れする」という意味合いにも使われるようになっている。
 わたしのこだわりは後者の意味で使っていると解釈していただきたい。言ってみればモノに対する思い入れのようなものだ。前回「カバン」でも示したように、大きく作れば可能なものを小さく作って達成するという「難題」をクリアーすることが「こだわり」なのである。
 モノづくりをする日本の職人にはこうした意気込みがあるはずである。モノという単に入れ物であってもされど入れ物という感覚をもってモノ作り(創り)に対峙しないと、工夫というものが生まれてこない。職人に一工夫あれば、それを試作することは簡単なはずである。
 現実の例を上げるなら、最近購入した肩掛けカバンは小さくてリュックにもなる面白グッズ(前回紹介)なのだが、私の小さなこだわりに照らせば、カバンの脇に折りたたみ傘やメガネ入れなどを収納するポケットが付いていない点に不満を覚える。アウトポケットというのは直ぐに取り出せるというメリットがある。実際に折り畳み携帯バッグには脇にメッシュのアウトポケットが付いているのはよく見る。今回購入したカバンの脇を測ってみると、そうした脇ポケットをつける余地は十分にあった。このひと工夫があれば私の「小さなこだわり」に応えてくれたことだろう。
 前回は「カバン」は道を歩く伴侶という表現を使ったが、それだけにこだわりの強いモノだけに「微に入り細に入り」といったモノづくりを日本の職人に期待する。無論素材や縫製、取り付ける金具、ジッパーに至るまでベストなものを備えたものであることは言うまでもない。



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