日常細事2018


kiji

2020.1.16 京都府(お国柄23)
 京都府は、山城、丹波(一部は兵庫県)、丹後の三国だが、丹波と丹後を北部、山城を南部と呼んだり京都市以外をすべてひっくるめて郡部とも呼ぶ。京都は山に囲まれた典型的な盆地で、冬は底冷えし、夏は暑い。京都のイメージは「京女、きれい、京言葉」といった土地柄だ。
 京都には、1000年の歴史ある王朝文化の地に生き続けてきたという誇りが秘められている。「京都以外はみな田舎」とプライドはどこよりも高い。
 そのプライドの現れは京都の花街で芸子遊びをしようと思っても「一見さんはお断り」と取り付く島もない。
 観光客に対しても「おいでやす。ようおこしやしとおくれやしたな」とていねいな言葉で歓迎してくれるが、これは単なる営業上の対応である。
 この「ホンネとタテマエを使い分ける」「公私のけじめがしっかりしている」というところが、京都の府民性の大きな特徴だ。
 京都では思い切ったことをやるときは「清水(きよみず)の舞台から飛び降りたと思って」という言葉をよく使う。
 これは『清水寺には高い崖に張り出して作られた舞台があり、その崖から飛び降りると所願成就のときに怪我をせずに済み、もしくは死んで成仏できるといわれ、身を投げる者が絶えなかったという。その舞台から飛び降りるほど、必死の覚悟で実行する。(故事ことわざ辞典)』という意味である。
 いかにも大げさな表現だが、これは京都の人はとかく「倹約家」または「しまりや」だと言われ、大枚をはたくときは自分を鼓舞するために、この言葉を口にする。
 つまり京都人はとにかく無駄遣いが嫌いであり、大金をはたくには一大決心で臨むという表れである。
 「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」という言葉があるが、着るものにお金をかける京都人に対して食べるものにお金をかける大阪人を対比したものだが、これは京都人の質素な食生活を言い当てている。
 お国柄は歴史的にも閉鎖的だが、観光名所でもあるので、比較的よそ者にも寛容。しかし愛想のよさとは裏腹に、腹の底では他県人を見下しているところが垣間見える。
 古いものを大事にするが、新しいものにも関心が高く、目新しいものを真っ先に取り入れるという先進性もある。これも「1番」が好きな京都人ならでは。本音と建前を使い分ける人が多い証でもある。
 お越し頂いておおきにどす。なんのおかまいもできまへんが、どうぞ、ごゆるりと過ごしておくりやす。

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