日常細事2018


kiji

2020.1.26 奈良県(お国柄26)
 奈良県は、江戸時代には小藩が入り乱れていた。豊かな穀倉地帯で、江戸時代以降は農業が中心で、「せいせい、さんさん、こんこん」といわれたように奈良県に住んでいれば貧困に追い込まれることがないので、地縁血縁が張り巡らされて保守的、没個性的な風土が形成された。戦後は近幾日本鉄道沿線の宅地開発が進んで大阪の労働力を提供する後背地として「大阪府民化」がすすんだ。県外就業者数は日本一。日中県内にいるのは他県人ばかりといった特別な観光地である。
 地理的には、紀伊半島内陸部、近畿地方の中南部に位置し、北西部に奈良盆地、北東部に大和高原、それ以外は大台ケ原や近畿地方最高峰の八経ヶ岳(八剣山)といった紀伊山地が広がる。奈良盆地に守られ、気候は温暖で冷害の心配はなく、台風も山に囲まれた盆地が防いでくれるし、固い地盤のおかげで地震もほとんどない。「日本一安全な県」と言ってもいいだろう。
 歴史を見ても、奈良といえば平城京から始まった歴史ある社寺の町。世界遺産に指定された法隆寺や薬師寺はもちろん、東大寺の大仏など、世界に誇れる観光地として有名である。
 こうした歴史的な古都に生まれ育ち、天下の要害の地に育ったせいか、奈良県民は生活にあくせくすることなく「のんびり」「おっとり」として、自分の世界観を確りりもち、他人の意見に振り回されることは少なく、物静かでどこか威厳を感じさせる。 
 よく「大阪の食い倒れ」「京都の着倒れ」そして「奈良の寝倒れ」という。奈良は「何もしないで、さっさと寝て身上をつぶす」と言われたのだ。これは先に示したように観光地として、大仏目当てに多くの観光客が押し寄せるので、生活に対し何の心配もなく生きていけた。
 このことは奈良県人は何にもしなくても生活できることからくる無気力さを生みだし、すべてにおいてスローモーで、自己満足しやすい傾向を示すことにつながった。多くの人が訪れることから、順応性が高く、新しい環境や人にもすぐに馴染める適応カもあり、基本的には保守的でマイペース、 周りの騒音に惑わされない県民性といえよう。
 A子「昨日え~、駅でえ~、あんた見たえ~」B子「あんな~え~、C子とマクド行っててん」C子「な~え~、めっちゃ混んでてんな。よ?」

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