2020.2.26 愛媛県(お国柄35)
今回紹介する愛媛県は、暑からず寒からず温暖な気候に恵まれている。地域性としては南予・中予・東予と3地域に分かれている。
南予地区は宇和島、大洲、八幡浜を中心とした地域。内陸部と臨海部でちょっと県民性も異なっている。農業が中心の内陸部の人はコツコツ型で、貯蓄したお金で大きな買い物をして周囲を驚かすことがある。臨海部の人は漁業が盛んで陽気で豪快な人が多く、お金を使い、なくなったら儲けたらいいという散財型の人が多い。
中予の地区は、松山市・東温市・伊予市を中心とした地域。ここはお城がありお城の城下町があった地域。城下町特有の温和で争いを好まない人が多いため、臨時収入を得ると貯蓄して利息をというのんびりとした堅実なやり方を好んだり、教養を深めることに関心の高い人が多く本に投資する人が多い。
東予の地区は新居浜市・西条市・今治市・四国中央市を中心とした地域。古くから関西との交流が盛んに行われ時代の流れに敏感で、商人向きの気質の人が多い。そのためか臨時収入をえたら、投資して倍にするという県民性となっている。
愛媛県人は「何か買う」のが県民性といわれているが、実は東予は「商売につぎ込み、倍に」、中予は「貯蓄して、利息を」、南予は愛媛県人のイメージどおり「散財する」というように、三者三様。ただ、全県的にはのんびり屋で、強欲でなく、ほどほどに楽しめればよしという性格。人見知りで、初めての人に会うのを億劫がる傾向も。
それでも全体に共通する気質もあり、調査によれば、愛媛県人が時間を多く使う事柄は仕事や学業(47都道府県中44位。社会生活基本調査)より趣味・娯楽(同第1位)というデータがある。温暖な気候の影響か、のんびりとした気質が強いのだろう。といって遊び呆けているわけではなく、教養志向は人一倍強い。事実、メディアとの接触時間は第2位(同調査)で、情報に対しては非常に敏感なことをうかがわせる。そのせいか、「流行を気にしない」という人の割合が全国でいちばん少ない(NHK全国県民意識調査)。
ちなみに松山市は「俳句大国」と呼ばれている。道後温泉近くには正岡子規記念博物館があり、河東碧梧桐、高浜虚子、中村草田男など著名な俳人を何人も輩出している。
夏目漱石の「坊ちゃん」の一節にある愛媛弁「あまり早くてわからんけれ。もちっと、ゆるゆるやって、おくれんかな、もし」
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