日常細事2020


kiji

2020.3.13 熊本県(お国柄40) 
 肥後と呼ばれていた熊本には、今も「肥後の議論倒れ」「肥後もっこす」という言葉がある。この言葉は、熊本県人には強情っぱりで議論好きが多いということ。自分の考えや発言が間違っていたとしても、そんなことに関係なしに意見を押し通す強さがある。
 「もっこす気質」の表れとして、こんな言葉がある。「いっちょのこし」と言われることで数人で食べるとき最後の一個に手をださないことである。これこそ熊本らしい頑固で生真面目、純粋で気が小ささを表している。私たちの地方では最後の一個は「遠慮の塊」といって、手を出しにくい状況を示すことをいっている。
 だから「もっこす気質」がカッコ良く見えるが、単に「頑固者」「意地っ張り」に過ぎないとも思える。
 さて、熊本は九州の中心に位置しており、北部には阿蘇の大自然、下には天草の美しい海が広がる自然豊かな県である。観光は大自然だけで無く、指定文化財である銀杏城、通称「熊本城」や世界遺産に認定された天草「三角西港」・荒尾「万田坑」等の他、湯治として大人気の黒川温泉や人吉温泉など、バラエティ豊かな観光地がある。
 熊本北部の荒尾・玉名は福岡に近いため、流行に敏感で派手好きという傾向がある。
 熊本県中部、熊本市や宇土市・八代市には鷹揚な(小さなことにこだわらない)性格の人が多いようだ。その理由として、熊本県の地理・気候に関係しているかもしれない。
 熊本県内でも鹿児島・宮崎に近い人吉等の南部地域は「いひゅうもん」と呼ばれるタイプが多いようで、「いひゅうもん」とは熊本では「異風者」つまり「変わった人」を表している。
 また、政令指定都市として2014年に認定された熊本市の中心街には、全長約1㎞程ある西日本最大のアーケード街「上通り」「下通り」が通っており、ショッピングや観光の人々で大変賑わっている。そして熊本と言って欠かせないのは、やはり「くまモン」!今や国内に留まらず海外にまで進出したくまモンの人気は熊本県内でも静まる事はない。
 そんな熊本県に住んでいる熊本民の特徴は冒頭で紹介したが、これに加え、恥ずかしがり屋な人も多い。また、裏をかく事や計画を立てる事ができない真っ直ぐな人達が多く、一度激しく言い争っても陰険な事はしない。気のおけない仲になると家族同然の様に受け入れてくれる懐の広さも熊本県民の特徴の一つである。
 「なんばいいよっかわけくちゃわからん(何を言ってるのか訳がわからない)」 

 

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