2020.3.16 大分県(お国柄41)
福沢諭吉は大分県(中津)の出身で幕末・明治にかけての当代一の知識人であった。「個人主義」「自主独立」という福沢のライフスタイルは大分県人の気風そのものであった。
また「赤猫根性」と呼ばれる気質がある。これは「ケチ」で「がめつく」。「偏屈」で「利己的」で「協調性がない」というもの。ここまでの悪態をつかれるのには訳がある
歴史的に豊の国(大分)は小さな藩(八藩)の寄せ集めの国であり、各藩がそれぞれ生き延びるのに必死だった。そのことが皆で手を取り合いながら、何か一緒にことをはじめるという習性が育たなかったというのだ。実際大分県人は「よだきい」という言葉をよく使う。「大儀」「億劫」という意味で、共同で集まろうとすると、「よだきいから、やめとくわい」と参加を拒む人がいる。これなどは「協調性のなさ」を象徴する気風だといえよう。
悪い面ばかり書いて大分県人には申し訳ないが、私の父親も大分県(臼杵)の出身であるから、私の中にも半分大分県人の血が流れている。私にはあまりその傾向は見られない。母親の気質を強く引き継いだようだ。
さて、やや冷たい印象を持たれることも多い大分県民。実際の県民性の特徴としては、しっかりと自分の意見を持っており、公平な立場で物事を判断する。そのため商売上手が多く「一村一品運動」を始め、地域での村おこしが盛んで明朗な人が多い。社交下手な部分があるが、仲良くなると裏切らない一面もある。
地域別にみる県民性はというと。
別府地区は世界的にも有名な温泉地であり海外からの観光客も多くグローバルな地区である。そのためか、自分の意見をストレートに述べる性格の人が多く、利己的な印象もある。しかし、実際は昔から湯治の名所でもあり困っている人がいれば助けるという風に人情厚い。
湯布院地区は「洗練された文化」を意識しており街並みともに洗練されている。この地域の特徴としては別府温泉が地域密着なのに対して、湯布院温泉は観光メインになっている。そこで外部の人間に対しても、おもてなしの心を意識していて、ゆったりとした性格の人が多い。
臼杵地区は古い建造物や街並みが色濃く残る地域である。昔ながらの街並みや空気感を大事にしており県内ではめずらしく郷土意識が強い。古くより私塾や寺子屋が多く作られ、教育に関しての意識が高い。
中津地区はいわゆる「県北」と称される地域。もともとこの地区に住んでいる人は親族などとの関わりを深く持ち、いわゆる「亭主関白」のような県民性がある。
日田地区は大分市内へいくよりも福岡県に入るほうが近いことから独特の県民性を持っている。地域密着のイベントが多く、仲間意識が強い。観光に行って楽しむというよりは「住んだら都」の地区になっている。
「どげーいわれてもよーしきらん(何と言われても上手くできない)」
この記事に関するご感想などを下記メールでお寄せください。comfree@papars.net
2013年の記事を閲覧するには日常細事のアイコンをクリックしてください。
©2013 papa's_pocket. All rights reserved.