2021.2.10 メモの取り方
メモを取るのがうまい人種は新聞記者だろう。取材にメモは欠かせない。話のキーワードをノートに残して、後で思い返して記事にする。とまーそう言ったところが、一般的だった。過去形にしたのは、今は記者発表にはマイクを使うから発表内容はつぶさに電子記録される。さらにスマホを高く掲げて撮影すれば、表情も音声も同時に取れる。
話の前段と後段ではどこか違う。前段のそれは人の頭というフィルターを通して記事となる。後段は映像と音声の切り貼りして編集した記事がテレビ報道では発表される。新聞などは取材記録(電子メモ)を基に編集者の手を経て記事として掲載される。そこには編集者(デスク)の意図が、もしくは新聞社の理念などの違いが出ることになる(朝読毎の三大紙や日経・産経など)。
では私の取材はどのようにして行われたか見直すことにする。今回の原本は「魅るヒント(全6話7千字近い長文))」を参照して頂きたい。
私は長い間「魅る」(魅せるはあるが、普通の辞書にはない造語)ことを頭の中心に置いて取材をしてきた。何故、観るとか見るでなく「観る」なのかということは 、ヒント1にもあるように「空・雲・風・光という自然現象。樹木・草花といった植物。年中行事といった人の行い。これらはサイクルとなって巡り巡ってくる。同じようでいて受け取りようによっては別の貌を魅せてくれるものだ。それを感じ取ることが『魅るヒント』となって返ってくる」とある。「魅る」という心情を加味した見方で物事を観察すると、見えないはずのものを感じ取ることができる。
このような立ち位置で取材記録を撮り、キーワードをメモする。私の場合はご多分にもれず電子メモである。使い慣れた小型カメラは取材の友で必携のグッズである。これで写真や動画を撮る。案内板などをしっかりしたアングルでとれば、そこに書かれた文字は、パソコンのOCRでテキスト文字化できるので、説明文として記事の中に取り込むことができる。
このコラムのタイトルは「メモの取り方」であるが、私の場合はメモリーを再現して編集するということになる。
今回は「比較と選択」から「質を比べる」の続編を書くつもりだったが、新しいテーマでこの稿を書くことになってしまった。また別の日に先のテーマに戻ることもあり得る。文脈が乱れるがその点はお許し願いたい。
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