日常細事2021pre


kiji

2021.2.6 質を比べる
 「比較と選択」の原文では、「値段、数、重さ、高さ、大きさ、腕前、能力、速さ、距離、性格、美しさ、音、性質、温度、気候、形、外見、特徴、優劣、時間、色、味、栄養分、におい、安全性、サービス、効率、生産高、成績、筆跡、表現、環境」などが上げらているが、物の質の問題が明確でない。
 そこで具体的に例を挙げて検証してみる。
 洋服など場合、誂えと衣料品店などで売っているものとでは雲泥の差がある。誂えは体のサイズに合わせるから着心地が違う。肩幅や丈の長さが既製品とは違いぴったとしているのところが、絶対的な差である。それから材質も違うし縫製も違う。当然価格も倍以上かそれよりも高くつく。こうした職人技は経験とか努力と言った目に見えない力量の上に築かれている。産業革命以降機械化が進み、今ではコンピュータ制御によるAI化の普及で、今私がこのHPで紹介している江戸の職人技などは地域限定の民芸品などにその影を残しているに過ぎないだろう。
 質の問題として他に楽器などを例にとると世界一のバイオリンと言われるストラディバリウス「イタリアの弦楽器制作者アントニオ・ストラディバリ(Antonio Stradivari、1644年~1737年12月18日)が製作した、世界最高峰のバイオリンの名称」は最高の弾き手によってのみその極限の音質を再現できる。
 ブランドというのも形より製作者のネームバリューという目に見えない力で人を惹きつける(高額の代名詞)の上に築かれている。スイスは腕時計の名品を数多く生み出している。例えば、その品質や格が世界最高峰の世界最高級時計ブランドとしてしられる、PATEK PHILIPPE(パテックフィリップ)記録によれば品番Ref.5016Aは2015年ジュネーブで開催されたチャリティーオークションで腕時計史上最高額の9億円で落札された。音により時刻を知らせる「ミニッツリピーター」、エスケープが回転する「トゥルービヨン機構」、そして日付自動調整の「パーペチュアルカレンダー」。この時のために超高級時計に搭載されるとされる3つの機構すべてを詰め込んだ傑作で、これを作った製作者は職人冥利に尽きることだろう。
 話がそこまで行くと最早比べようもない世界に入り込んでしまう。続く





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