日常細事2021pre


kiji

2021.3.22 整理する
 日本人の生活の知恵の筆頭の上げられるのが「ものを大事に使い、節約をする、残すこと」が発想の原点になっている。
 ところがモノ好き私には、それが今悩みの種となっている。おびただしい数の本、時代物となった旧式のカメラ。十を超える鞄などのほか今は着なくなった衣服。そして靴。それらは今存在の危機に立っている。狭い家に長く居座った私のモノたちは家族にとっては不要なものでかえって邪魔なだけな代物なのだから。
 私にとってもこれらのモノを使う機会はほとんどないだろうし、それほど時間も残されてはいない。最近相次いで親しい友人を失った。80歳を過ぎるとそういう状況が増え、年賀状リストから毎年削除される知人も多くなった。
 そこでモノの整理だが、これが終活と言う名の身辺整理という運びになる。
 私の構想では、順に手放すことになるモノを上げると、まず書籍類である。これらが消えればうちのスペースはかなり生まれる。辞書・事典類は数も多く分厚く大きい。古書買い入れについてネットで調べると、辞書辞典類は購入価格は高くても、時間が経過すると内容が変わるため、殆どゴミ扱いになるか、引き取ってもらえないという。一度これらを集め、段ボール(2個分)ごと査定に出してみようと考えている。その結果を見て残りの書籍についても処分していくことになるだろう。
 次に、時代物のビデオカメラなどは古い記念動画をテープ別に再現するために残しておいたものなのだが、思い出と共に順次売却可能かどうかを確認して処分していく。
 衣類などは寄付することが出来そうなのでその方向で処分を進める積りだ。
 このような「終活」とは結局色々な「思い出」を断ち切ることを意味する。モノには一つ一つに思い出が付きまとう。それを手に取ると鮮やかに思い出が蘇るモノもある。
 モノと共に思い出を忘却するという行為は冒頭示した「生活の知恵」とは裏腹の行為になるが、これも年齢のなせる業で、もう先が見えた人生において、「ものを大事に使い、節約をする、残すこと」は無用になった。身辺整理が終われば、周囲は綺麗に空間が生まれ、「思い出は」頭の中にだけ残るモノとなる。







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