日常細事2021pre


kiji

2021.10.10 諺集に見るわが人生(26)
 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「あ行」の「い」から始めて、回顧していく。
 「一粒(いちりゅう)万倍」わずかなものから多くの利益を得るたとえ。また、わずかなものでも粗末にしてはいけないという戒め。一粒の種から一万倍もの収穫を得られるという意から。一つの善行でで多くの良い結果を得るたとえとしても用いる(報恩経)から。いかにも仏教の教えらしい表現だが、何か活力剤のCMのような響きがある。私は一目見た時は「一粒」を「ひとつぶ」と読んでしまった。あまり広く知られていない諺だと思っていた。ところが事業を経営する人たちなどには大安など暦の六曜のように、この「一粒万倍」を暦に当てた日を「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」と言う。「一粒万倍日」は「一粒万倍」の意味通り、物事を始めたり、仕事やお金にまつわることに向いていると言われている。一粒万倍日はどうやって決められているかというと、二十四節気と、一日ごとに割り振られている干支との組み合わせによって決まる。
 2021年の10月は3日(日)、13日(水)、16日(土)、25日(月)、28日(木)」となっている。
 「一輪咲いても花は花」小さな目立たない存在であっても、本質的には変わらりがないことの喩え。単なる数量よりも、実際の質を重視するといった意味合いもあることわざである。これに対応する諺に「量より質 質より量」がある。人によってはまたは困窮時には「質より量」が優先する場合もあるという逆説でもある。
 「一結杳然(いっけつようぜん)」文章を締めくくった後に、匂うように余韻が残るさま。漱石の『吾輩は猫である』から「主人は一結杳然というつもりで読み終わったが、さすがの名文もあまり短すぎるのと、主意がどこにあるのかわかりかねるので、三人はまだあとがある事と思って待っている」
 同じ物書き(自称)でも私などにはとても見果てぬ夢の業である。 次回に続く。





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