2021.11.26 諺集に見るわが人生(39)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「あ行」の「う」から始めて、回顧していくことにする。(「」の前後の句読点は省略)
「有卦に入る」有卦に入る(うけにいる)とは幸運にめぐりあい、良いことばかりが続くこと。
「有卦」とは、陰陽道で幸運が七年間続くという年回りのこと。その後五年間続く凶年は「無掛」という。このように、12年間で「有卦」と「無卦」が一巡するという陰陽道の考え方を「十二運(じゅうにうん)」と言う。「受けに入る」と書くのは誤り。人生良いこともあれば悪いこともある。それがどういう風な状態なのかは人によって違うだろう。
しかし、7年間の幸運、それに続く5年間も続く凶年という卦は俄かには信じ難い。
陰陽五行説伝来について抜粋すると(Wikipedia)
5世紀から6世紀頃、陰陽五行説が仏教や儒教とともに日本に伝わったとき、陰陽五行説と密接な関係をもつ天文、暦数、時刻、易といった自然の観察に関わる学問、占術とあわさって、自然界の瑞祥・災厄を判断し、人間界の吉凶を占う技術として日本社会に受け入れられた。その後10世紀には陰陽道・天文道・暦道いずれも究めた賀茂忠行・賀茂保憲父子が現れ、その弟子から陰陽道の占術に卓越した才能を示し、宮廷社会から非常に信頼を受けた安倍晴明が出た。
こうして見てくると、古くは中国から様々な文化が渡来した。それを日本人はうまく取り入れ、日本独自の文化として開花させたことがよく分かる。
「烏合の衆」烏合の衆とは、規律やルールに縛られておらず、ただ集まっただけの集団のことをそう呼ぶ。 この言葉は漢字に烏 (カラス)が使われているが、カラスの群れは無秩序でバラバラであるとことからきている。これも中国伝来で中国古典の『後漢書 耿弇(こうえん)伝』に書かれた故事。水を差すような事例だが、昔近くの孝道山の上空を白いカラスを先頭に八の字に大編隊を組んだ烏の集団が飛び去って行ったのを見た。あれは幻だったのか。確かに先頭に白いカラスがいたのが目に焼き付ている(調べたら上野動物園にいるそうだ。生まれる確率は10万~100万分のⅠだと言う)。
烏合の衆と言ってもそこに強力な指導者が現れれば、大きな力となって国そのものを変えてしまうかも知れない。はぐれた烏が集まって武器を持ち、一国を成しているISと言うテロ集団もまた烏合の衆と言えるだろう。 次回に続く。
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