2021.12.19 諺集に見るわが人生(45)
今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「あ行」の「う」から始めて、回顧していくことにする。また諺からイメージできるものについても記述する(「」の前後の句読点は省略)。
「嘘つきは泥棒の始まり」子どもの頃よくこう言われて.戒められて育った。嘘は誰でもつくのにどうして泥棒に結びつくのか調べると「平然と嘘を言うようになれば、良心がなくなって盗みも平気で働く人になるから、嘘はついてはいけないという戒め」
類義として「嘘つきは盗人の苗代/嘘と盗みは互いに隣同士/嘘は盗人の始まり/嘘は盗みの基」 対義として「嘘つき世渡り上手/嘘は世の宝/嘘も重宝/嘘も追従も世渡り/嘘も方便/嘘も誠も話の手管/嘘をつかねば仏になれぬ」とある。こうしてみると嘘も満更悪いことでもないように見える。政治家などはいつも資金管理で追及され挙げ句の果てに職を辞することがある。これはまさにこの諺にぴったり合う。
「嘘をつかねば仏になれぬ」とは、嘘をつかないと成仏できないように聞こえるが、その実態は「時と場合によっては、嘘をついても地獄に落ちるようなことはないという意味」で、仏になれぬという表現が強いので、嘘をつかないと成仏できないような印象を与えるが、積極的に嘘をつくようにすすめているわけではない。このことわざは、仏の悟りの世界を教えるために、必要な嘘もあるということから生まれたことわざである。
次の諺「うだつが上がらない」とは「地位や生活がさっぱり向上しない」という意味。 「うだつ」の漢字は「梲」が一般的。 「梲」はもともと建築用語で、その語源には二つあり、一つ目は、梁の上に立てて棟木を支える短い柱を「うだつ」といい、このうだつが棟木におさえられているように見えることから、頭が上がらない(出世できない)という説と、二つ目は、商家などで隣の家との境に設ける防火壁のことを「うだつ」といい、そのうだつを高く上げることを繁栄のしるしとしたことからとする説がある。
この諺の使い方は「目の前の相手に面と向かって投げかけるには少々強すぎる表現なので、多くの場合、自分や自分の身内を謙遜して形容したり、その場にいない第三者に対して使われる」
まあ私なども「梲が上がらぬ」人生の部類に属すると言えよう。一般的にこの世の中のパワーバランスから見ても、「梲が上がらぬ」人が大半であると言えよう。と言うのは言い過ぎか。次回に続く。
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