日常細事2021pre


kiji

2021.8.29 諺集に見るわが人生(15)
 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「あ行」の「い」から始めて、回顧していくことにする。
 「怒りは敵と思え」これは徳川家康の遺訓にある言葉で、怒りは慎むべきだという戒め(いましめ)。怒りは必ず相手の怒りや恨みを招き、結局は自分の身を滅ぼすことになるという意味。流石に「鳴くまで待とう時鳥」と喩えられた家康らしい言葉だ。私も80歳を過ぎて怒るという感情は表に出ることはない。昔は怒りで分別を失い人前で恥ずかしい姿を晒したこともある。
 似たような諺に「意見三両、堪忍五両」というのがある。これは「他人の意見をよく聞き、じっと忍耐すべきだということ。他人から受ける意見や忠告には三両の価値があり、自分自身がじっと我慢する態度には五両の価値がある」という意味。それだけ我慢することが大変なことなのだということか。
 人の意見や忠告をよく聞くことは三両の価値があるというのと同じ意味を持つ諺に「意見と餅はつくほど練れる」というのがあり、餅はつけばつくほど練れて美味しくなる。同様に人間も他人の意見に従えば従うほど人格が練れて円満になる。個性や人との差別をなくす方に重きが置かれる現代では、このような儒教的考えはむしろ嫌われる傾向にある。
 現在パラリンピックたけなわだが、勝負に臨む者は「意気軒昂(いきけんこう)」だが、敗者は「意気消沈(いきしょうちん)」し、勝者は「意気揚々」と引き上げる。「読んで字のごとし」言葉の意味は必要ないだろう。
 「石が流れて木の葉が沈む」一般大衆の無責任な言論が、道理に反して威力を持つたとえ。水に沈むはずの石を浮かせ、水に浮くはずの木の葉を沈めるという意味。あってはならないことが起きる。
 9月末頃から政局に入る。SNSなどのような無責任な言動が横行する中、確りとした目で日本の未来を託せる政治家を選ぶことが肝要だ。次回に続く。






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