日常細事2021pre


kiji

2021.8.9 諺集に見るわが人生(9) 
 今回は諺集(新明解故事ことわざ辞典:三省堂)「あ行」の「穴」から始めて、回顧していくことにする。
 「穴があったら入りたい」ご存知「失敗などをして、穴があったら入って人目を避けたいほど、恥ずかしくてたまらない様子」。若い時などはシャイだったので、よくこういう思いをした。しかし、次第に面の皮が厚くなり、古希を過ぎるころには穴を探すほどのの穴はない恥知らずになっている。
 「危ない橋を渡る」目的を達成するためにあえて危険な手段を用いて物事を行うことのたとえ。いつ落ちるか分からない危険な橋を渡ることから。その反対は「石橋を叩いて渡る」私は臆病者だからどちらかというと石橋をたたく方。
 ここに中々奥深い諺がある。私には始めてみる諺で、「脂(あぶら)に画き氷に鏤(ちりば)む」苦労しても効果のないことのたとえ。骨折り損。脂肪に絵を描き氷に彫刻しても、直ぐに消えてしまうところから。その出典には「内にその質無くして、外にその文を学ぶ。賢師良友ありと雖(いえど)も、脂に画き冰(こおり)に鏤むが若(ごと)し。日を費やし功を損す(自分に素質がないのに、表面的に学問をする。これでは、賢い先生や良い友人がいたとしても、脂肪の塊に絵を描き、氷に彫刻するように、すぐに跡形もなく消えてしまう。日数を費やしても成果が上がらず、無駄になってしまう」とある。
 先日「そごう横浜」で開催された『春の院展』を観に行ったが、出展された三百点余の作品は流石に傑作ばかりで、ただただ目を奪われるばかりであった。その中でも私の好みの関係で特に印象深い作品も数点あった。それらに共通する特徴は微細な点にも強い拘りを示すもので製作期間も数か月か1年あまりはかかったと思われる作品ばかりだった。審査員ではないので作品の評価はできないが匠の技を感じさせる魅力ある作品だったことに間違いはない。
 思うにこうした場に展示される作品はその道の高みにあるものばかりで、その下には数千点もの選出されなかった作品があったに違いない。残念ながら「日を費やし功を損す」作品だったかもしれない。いくら頑張っても何の価値も認められないモノがあるのもこの世界である。
 私も雑文を描き、江戸文化の伝承の真似事をしているが、「骨折り損のくたびれ儲け」にならないよう精を出していくつもりだ。残念なことは時間勝負の作品作りなので粗雑さは免れないところがある。次回に続く。





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